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○° ページ23

「捕まえた。」

「おっと、痴女に捕まえられた」

「だからあれは事故だって言ってるでしょはっ倒すよ」

「怖えーよ」


放課後。玄関へと向かう生徒とは逆方向へと歩いていく。旧校舎の方にある家庭科室。ジュースに塗れた私が見つけた場所であり、三郎が暇つぶしに来る場所でもある此処で、話をしようと私から言ったのだ。


「三郎、雷蔵は?」

「図書室で待ってもらってる。本当ならお前なんてどうでもいいんだが、雷蔵が『お千代ちゃんのお願い断る気?』って圧をかけられたから……」


雷蔵と一緒の時に話しかけるなんて卑怯だぞ、だなんて不機嫌そうな顔を向けられる。卑怯なのはお互い様じゃないか、そんな売り言葉は心の奥にしまった。


「あの日のこと、伊作先輩から全部聞いた。」


三郎の表情が変わったのを見逃さない。


「……思い出したのか?」

「ううん、全く覚えてないよ。
だけど、三郎の言う通り私のせいで皆が離れ離れになったって言った理由は分かった。」

「ああそうだな。お前が死んだせいで俺たちはバラバラになったんだからな。」


毒針のような棘が刺さる。
まあ、トゲのついた物言いをする三郎にはもう数百年前から言われ慣れてるから続けるのだが。


「そうだね。私のせいでバラバラになった。
でも、だからこそ、もう一度皆と友達になりたいの。」

「……は?」



「ほら、私こんな髪と目の色だからよく好奇の目で見られることとかよくあったでしょ?現代(いま)でもよくあるの。」


今は異国人の娘だって言われて石を投げられたり差別されたりまでは行かずとも、大多数とは違う私を受け入れる場所はなかった。


「『白髪のお前なんか一生幸せになれない』
だなんて今なら子どもの戯言だって思えるけど、あれ以来他人と関わるのが嫌になっちゃったの。

……だけど、皆のこと思い出したらそうでもなくなってね。
私の幸せはいつだって皆と一緒に作っていけるから。

だから、私は絶対に諦めたくない。
また六人全員で笑い合える日が来るって、信じてるから。」



「これは私のエゴ。わがままなの。」


三郎からしたらいい迷惑かもしれないけどね。




「嫌いだ」


三郎の口からこぼれたのは、嫌悪の言葉。
だけど何だか違和感がある。



「お前はいつもそうだ。いつだって私の前に現れてぐしゃぐしゃにする。」





.






「本当……室町(あの時)から、何も変わってない。」

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来夢(プロフ) - とても素敵な作品ですね!更新待ってましたぁぁぁあ!!!これからも頑張って下さい( ̄^ ̄)ゞ応援してます! (2020年10月20日 23時) (レス) id: cfa50364df (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - とても素敵な作品をつくってくださりありがとうございます!いつも続きを楽しみにしてます!これからも無理せず頑張ってください! (2020年3月19日 10時) (レス) id: 6604df6f14 (このIDを非表示/違反報告)
来夢 - 私この作品がとても好きです!いつも新しいお話が出るのを楽しみでワクワクしています!これからも応援してます! (2020年2月29日 22時) (レス) id: 0c53dd61ea (このIDを非表示/違反報告)
アクヤ(プロフ) - 続編だ〜!!めっちゃうれしいです!これからも頑張ってください!応援してます!! (2019年12月21日 14時) (レス) id: 64d635022a (このIDを非表示/違反報告)
るーじゃすどれいんw(プロフ) - 続編ありがとうございます!これからも更新頑張ってください!この作品が大好きです。応援してます! (2019年12月20日 22時) (レス) id: 6c9d28df35 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無音 | 作成日時:2019年12月20日 21時

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