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あの後連れられて来たのは、校舎の裏にひっそりと佇む花壇……もとい私のホームグラウンドだった。いやまあホームグラウンドって言っても50×150しかないんだけど。
そして私を置いて何処かへ行くかと思えば、すぐ側にある自販機に小銭を入れた。アイドルって小銭持ってるんだ……(※アイドルに対する偏見が強い)
「あ、あ、あの、輪道くん?私何かした?」
「……」
いや返事してくれよ!何で喋らないの!?
私見つめすぎた?それなら謝るから……本当謝るから……
「ん、」
「え、あ……いちごみるく……?」
「やる」
「ど、どうも……?」
ようやく聞けた声が2文字だと…!?
しかもいちごみるくをセレクトするの?可愛いな?
ストローを挿して一口、また一口と飲んでいく。苺っぽい味のする牛乳なのにどうしてこんなにも魅力的なんだろう、いちごみるくって。
「美味い?」
「うん。美味しいよ」
「貧乏舌」
「……そりゃどうも」
前言撤回。口が悪いぞこの男。
けど言い返したら後が怖いから何も言わずにいちごみるくを飲むことにした。
「ところで輪道くん、どうして私を此処に…?」
言い返す代わりに気になっていたことを聞く。輪道くんは私の顔をじっと見つめ、口を開いた。
「教室はいつも人が多くてうるさいから。此処なら人来ないし、いいだろ」
「な、なるほど……」
「あと、此処たまに猫来るだろ。」
「え、猫?確かに、たまに遊びに来るけど……」
あ、顔が柔らかくなった。こう、ふわってなった。
輪道くん猫好きなのかな?
「猫来たら、輪道くんに教えるね。」
「……、でいい」
「え?」
「
「そうなの?じゃあ……晋太郎?」
名前を呼べば、晋太郎はまたじっと私を見つめる。
返事してるつもりなのかな?いや君がちょっと猫っぽいよ?
「じゃあ指切りね、晋太郎」
「ん、」
小指を絡めて指切りげんまんをする。
端正な顔立ちに見合わないぐらいごつごつと骨張った男らしくて大きな手と指が少し意外で、それがおかしくてくすりと笑えた。
.
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「そんなにお千代ちゃんのことが心配なら早く謝ったら?」
「……別にいいさ。あんな強情女」
「三郎、いい加減にしないと僕も怒るよ」
「雷蔵はお千代に甘すぎるんだよ……」
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来夢(プロフ) - とても素敵な作品ですね!更新待ってましたぁぁぁあ!!!これからも頑張って下さい( ̄^ ̄)ゞ応援してます! (2020年10月20日 23時) (レス) id: cfa50364df (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - とても素敵な作品をつくってくださりありがとうございます!いつも続きを楽しみにしてます!これからも無理せず頑張ってください! (2020年3月19日 10時) (レス) id: 6604df6f14 (このIDを非表示/違反報告)
来夢 - 私この作品がとても好きです!いつも新しいお話が出るのを楽しみでワクワクしています!これからも応援してます! (2020年2月29日 22時) (レス) id: 0c53dd61ea (このIDを非表示/違反報告)
アクヤ(プロフ) - 続編だ〜!!めっちゃうれしいです!これからも頑張ってください!応援してます!! (2019年12月21日 14時) (レス) id: 64d635022a (このIDを非表示/違反報告)
るーじゃすどれいんw(プロフ) - 続編ありがとうございます!これからも更新頑張ってください!この作品が大好きです。応援してます! (2019年12月20日 22時) (レス) id: 6c9d28df35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無音 | 作成日時:2019年12月20日 21時