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廊下の外は、異世界にでも瞬間移動したかのように変化していた。
トイレよりもずっと奥…階段があったはずの場所は、瓦礫で塞がれ何も見えない。
爆発の影響で電線が切れたのか、火花がバチバチと音を立てながら落ちていた。
皆が瓦礫の向こうの人に助けを求めるも、それは無駄なことだと先生は言った。
「じゃあ皆、教室に入ろうか。」
また爆発しないうちに、そう付け足して教室に入って行った先生に怯える生徒は少なくなかった。
私は…ただ、廊下だった場所を見つめていた。
あの瓦礫に頭を打ちつけたら、どうなるのだろうか。
あの電流に触れたら、どうなるのだろうか…考えるだけでぞくぞくとした。
このぞくぞくはきっと、体が拒絶反応を起こしてるからだろう。
私はそれに高揚感と名付け、教室に入った。
** ** **
そこからはあっという間だった。
現状だけでなくこの教室にある爆弾の場所まで事細やかに説明してくれた先生。
生徒達は渋々と席に着いたけど、表情は暗いままで。先生が外を見てる間に助けを呼ぼうとしたけど、それもすぐに制止されて鞄と携帯は没収されてしまった。
最後の人の鞄と携帯を回収したところで、ちょうどチャイムが鳴った。
先生の号令がかかる。だが、私以外の最初は立ち上がることすらしなかった。
「どうしたどうした?東海林を見習え〜?」
何故、私の名前を出すのか。
目の前の不良が舌打ちするだけで、余計に立ち上がらなくなった。
結局先生が爆弾のスイッチに手にかける脅しによって、礼までした。
「どうしてこのクラスは人質になったのか、」
そう問題提起して、先生は教室内を徘徊し始める。
「じゃあ宇佐美」
「は?分かるわけないし…」
「分かるはずだ。よく、考えて」
「…皆がブッキーに酷く当たるから?」
宇佐美がそう言うと、皆思い当たる節があるのか俯いた。
「なるほど。まあ、東海林以外教師に対するリスペクトは0だよなぁ…。
でもそんな理由でここまでスペクタクルな仕打ちはしないよ」
だから何故、私を出すのか。
おかげで諏訪さん達のグループからの睨むような視線が鬱陶しい。
「ヒントは他のクラスには無かった事だ。じゃあ諏訪」
「警察沙汰になった奴がいる」
「テメェ喧嘩売ってんのか」
諏訪さんが甲斐くんに八つ当たりしてるように見えた。
甲斐くんごめん。巻き込んで。
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蒼炎 - アンナチュラルも3年A組も好きなドラマだったので、続きが気になります!更新待ってます! (2020年1月12日 22時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
Yui(プロフ) - 続き気になります!更新待ってます! (2019年12月3日 4時) (レス) id: 7c69be82b3 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - いつも楽しく読ませていただいてます!更新、待ってます!! (2019年5月5日 16時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
中原三日月(プロフ) - 主人公が私の好みです!更新頑張ってください! (2019年4月24日 20時) (レス) id: f8510eae2e (このIDを非表示/違反報告)
かれーこ - このお話好きです!更新頑張ってください! (2019年3月24日 17時) (レス) id: 6209d012cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無音 | 作成日時:2019年3月24日 6時