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｢人質ってどういうことですか｣
クラスの中でも賢い逢沢くんが冷静にそう問いかけた。
どうやら逢沢くんは、先生の言葉を本気だと受け取っているようだ。
先生は表情一つ変えずに逢沢くんを見る。
｢俺の目的が達成するまで、みんなにはこの教室にいてもらう。｣
そう言う先生の目は、一年前の中堂さんにちょっとだけ似ている気がする。
きっとこのことを言うと、中堂さんにクソ呼ばわりされると思うが。
その刹那、どっと教室に笑い声が響いた。
｢ブッキースベっちゃったね〜｣
｢卒業式前だから浮かれちゃったんだよね？
いいよいいよ、そういうブッキー嫌いじゃないよ？｣
宇佐美さんはそう言って笑うし、水越さんに関しては頬杖をついて完全に先生を舐めている。
どうして、本気だとは思わないんだろうか。
私はそれが不思議でたまらなかった。
｢ねぇ。もしかしてさ、卒業に関わる重要な事ってこれ？
このために全員出席するよう呼びかけたの？｣
かなり苛々としている諏訪さんに対しても、先生は笑顔で答えていた。
｢そうだよ。卒業する前に、皆と一緒に解決しておきたい事があって｣
解決しておきたいこと。
それは、もしかして…
「んだよ、んなことなら家で寝ときゃよかった」
「アホらし、帰るぞ」
「さようならっ！」
そう言って、甲斐くん達は帰ろうとする。
相変わらず縛られたくない自由な人間だな、彼等は。
そんな私の言葉が聞こえたのかは分からないが、机を蹴られた挙句唾を吐かれた。
生憎だが私は不良の唾に興奮するような性癖はないのでティッシュで拭いた。
そう思っていると、がたがたと扉の音が聞こえた。
だが扉にしては、おかしい音だし本来の存在意義である開閉ができなくなっていた。
｢扉は開かないよ。特殊な鍵をかけたから。｣
平然と言われた特殊な鍵。
あぁ。だから今朝、後ろの扉が開かないと騒いでいたんだ。
「…先生、前の扉も閉めてましたよね。」
｢流石東海林。学年トップレベルの成績なだけあるな。
何処まで分かっているんだ？｣
「…確証は持てないものばかりです。
貴方のやっていることは、誰かを救うための行為。これだけは分かります。」
「東海林は面白いなあ」
そう言って笑う柊先生は、やっぱり本物の柊先生だ。
なのに、いつもと違って怖く感じるのは、如何してなのだろうか。
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蒼炎 - アンナチュラルも3年A組も好きなドラマだったので、続きが気になります！更新待ってます！ (2020年1月12日 22時) (
レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
Yui(プロフ) - 続き気になります！更新待ってます！ (2019年12月3日 4時) (レス) id: 7c69be82b3 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - いつも楽しく読ませていただいてます！更新、待ってます！！ (2019年5月5日 16時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
中原三日月(プロフ) - 主人公が私の好みです！更新頑張ってください！ (2019年4月24日 20時) (レス) id: f8510eae2e (このIDを非表示/違反報告)
かれーこ - このお話好きです！更新頑張ってください！ (2019年3月24日 17時) (レス) id: 6209d012cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無音
| 作成日時：2019年3月24日 6時
