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「…ッ、キモッ」



気持ち悪いの俗語を吐き捨てて、諏訪さんは自分の席へと戻っていった。


「あれ、甲斐くん達は?」


先生の言葉を聞き流しつつ、諏訪さんに殴られた頰を手で撫でる。


やっぱり、痛くない。

痛くないことは普通ではないことは知っている。
だけど、思わず吐き捨ててしまうほど気持ち悪い事なのだろうか。



「おー間に合った間に合った。」


私は、普通ではないから、分からない。


「間に合ってない。遅刻だよ。」


漸く来たらしい甲斐くんグループに対して先生はそう窘めるも、あの3人が真面目に聞くはずがない。


「ブッキー、少しは多めに見ろって」


案の定、と言ってしまうことは失礼なのだろうか。
須永くんが後ろにいる柊先生を蹴り飛ばした。

蹴り飛ばされた先生の体は、ドアにぶつかってしまった。


先生は私みたいな人間じゃない。痛くないだろうか。
後で聞いてみて、擦り傷があるなら絆創膏をあげよう。


「あれ、サンドバッグ来てんじゃん」

「放課後アイツ使ってやろうぜ!」

「今日こそ泣かせてやる。」


甲斐くん達が、私を見るなり如何にも物騒なことを言ってるのが聞こえる。


「おい」

「…はい」

「今日の放課後、逃げんなよ」

「…はぁ」


前の席の甲斐くんに言われ、放課後の予定が追加される。

もしかしたら先生の元へ行く暇は与えてくれないかもしれないが、どうにか時間を作って行ってみよう。



「今日は、大切なお知らせがあります。」


いつの間にか教壇に戻っていた柊先生。
それに対して、まともに聞く生徒は誰もいない。

このクラスも崩壊され切ってる。


あーあ、早く卒業式来ないかな






.

.

.






「今から皆さんには、人質になってもらいます。」


ふと、そんな言葉が聞こえて先生の方を見る。
それは私だけではなく他の人もそうだった。



それなのに、先生はいつもと変わらず笑っていた。




この瞬間、私の日常は非日常へと変わっていく___

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蒼炎 - アンナチュラルも3年A組も好きなドラマだったので、続きが気になります!更新待ってます! (2020年1月12日 22時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
Yui(プロフ) - 続き気になります!更新待ってます! (2019年12月3日 4時) (レス) id: 7c69be82b3 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - いつも楽しく読ませていただいてます!更新、待ってます!! (2019年5月5日 16時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
中原三日月(プロフ) - 主人公が私の好みです!更新頑張ってください! (2019年4月24日 20時) (レス) id: f8510eae2e (このIDを非表示/違反報告)
かれーこ - このお話好きです!更新頑張ってください! (2019年3月24日 17時) (レス) id: 6209d012cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無音 | 作成日時:2019年3月24日 6時

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