【3年A組】バカと天才は紙一重

三十四天才 ページ36

ボコッと音を立てて、頰が一瞬めり込んだ。


甲斐「テメェのせいで計画が台無しだ。どう落とし前つけんだよ！」


次は腹に蹴りが入った。
やめろ、今朝のあんパンが出ちゃうだろ勿体ない。

そんなことを思っていたら襟首を掴まれ持ち上げられた。さすが男子、力強いなぁ。

けどまぁ、褒めるのはここまでだ。

たしかに？たしかに1回ぶん殴られても許すとは言った。言ったよ？



『けど2回傷つけていいとは言ってねぇわボケがァ！！』

甲斐「っい"!?」

石倉「アイツ甲斐に頭突きしやがった…」


いい夢は見られたか？
私が黙ってるだけの女だと思うなよオラァ


『まず言いたいことがある。里見』

里見「おう…」

『何ッで！美術準備室に行くことを言わなかった！！それ言ってくれれば対策考えてたやん！PC繋いでシステム解除したりドアノブのシステムバグらせて壊したらいけたかもやん！
情報戦での通達ミスは死ぬと思え！！返事は！！』

里見「は、はい！」

『お次は甲斐！オメー女の子蹴るなよ！カンガルーか！お前マッチョなカンガルーか！！私は別にいいけどさくら蹴ったら私に殺されると思え！！』

甲斐「お前はいいのかよ」

『返り討ちにするからな！最後は石倉ァ！』

石倉「おー…ってﾌﾞﾎｫ!?何で殴んだよ!?」

『うるせぇ！オメーは殴るって最初から決めてた！
全員次から気をつけろよ！！

…でないと、足元見逃すよ』


軽く説教じみた茶番は終了。本題に入ろう。


須永「けどどうすんだよ」

里見「こっちの意図がバレた今、ヘタに動かない方がいい」

石倉「先生からの質問はどうする？」

里見「もうすぐ8時になる。投稿者が名乗り出なければ、また犠牲者が出る。

ぶっきーも翠川に対しては警戒してくるはず。そうなってくると、俺たちに勝ち目はない。」


里見くんの言う通り、私はスタンガンを所持していたあの一回きりしか勝てない。
…やり逃げXを探さなきゃ、また誰か1人いなくなる。


甲斐「おい、誰があの動画流したんだよ！」

西崎「俺じゃないよ！」

柳本「ぼ、僕も違うよ！」

光永「もちろん俺でもない」


誰もが違う、俺じゃない、と言われ痺れを切らしたかのように舌打ちする甲斐くん。
あーイライラしてるだろうなぁこれ〜


今度は座って見ていた立野くんの襟元を掴む。


甲斐「だったら1人ずつ吐かせるしかねぇなぁ！」

立野「離せよ！」

兵頭「とか言ってお前だったりしてー！！」


兵頭くんの冗談めかした言葉に、クラスが凍りついた。

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