Wolf (ページ35)

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ﾋﾟﾙﾙﾙ＿＿＿＿＿＿＿

「北人さん...？」

『あぁ、』

私の問いかけに彼はぼそっと答えた。

いつもと変わり映えしない朝、2人で無言の食事をしているといきなり鳴り始めた彼の携帯。

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「スピーカにして？」

彼の携帯に電話がかかってくると必ず3人でいつも話す。

スピーカにして話すのはもう癖のようになっていた。

彼は数回画面をタップすると携帯をテーブルの上に置く。

“吉野北人”

そう書いてある画面表示には時間が刻まれていた。
しかし、いくら経っても聞こえてこない北人さんの声。

違和感を感じたのは彼も一緒だったらしい。

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「北人さん？」

私が携帯に向かってそう発した。

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その瞬間、見知らぬ声が携帯から出て、耳を貫く。
それと同時に目の前にいた彼は手に持っていた足を思いっきり音を立てて落とした。

『“やぁ元気かなぁ～？”』

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