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最後の背中 ページ34
＊
あの日からどんなに日々を過ごしても、どんなに彼と共にいようと私の中の不安は一向に消えなかった。
常に頭の中には“彼の死”
そして自分を責める残酷な言葉。
いつの間にか時は過ぎ、季節も秋から完全な冬へと移っていた。
“離れない”
そう言った彼は、本当にそばにいてくれた。
私が目を覚ましている間だけは...。
産まれてからこれまでに数年間、ただあいつを恐れて生きた人生だった。
夜が満足に眠れないなんて当たり前だった。
今は何もないが、癖というのはしぶといもので、今になっても夜中深くに目が覚めてしまう。
その時間に、彼はいつもいない...。
何をしてるの？どこに行ってるの？
少し声を発すれば出る問いかけは、私にとっては悪魔の言葉だった。
それを口にした瞬間、何かが壊れてしまう気がしてならない...
だから私は目を閉じて、いつも朝を待つ。
孤独なベットの上で。
・
あの日を境に気まづくなった北人さんとの関係だが、北人さんはわざわざ謝りに来てくれて、
自分が言いすぎたと言ってくれた。
今では彼と私と北人さん、3人での電話会話や団欒が増えた。
・
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作者名：M谷
| 作成日時：2019年12月30日 18時
