推し婚【松田陣平】 (ページ9)

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あらぬ疑いをかけられるページ9

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『いったぁ…』

「ごめんね、何回も持ち上げちゃって」

術間訓練で双海さんの相手をした時、勝たなきゃいけなかったから、力量差で絶対に勝てる勝ち方をした。
その際に軽く双海さんを飛ばして、訓練だったとはいえちょっとやりすぎたような気もするし、これは仕方ないとも思うし。

「大丈夫？痛いところない？」

『ない…私この後降谷くんとやるの？もう死んじゃう』

萩原、松田、班長、俺の相手をしてすでに体力はかなり削られているようで、ヘロヘロになっていた。

「ゼロなんだかんだ優しいから大丈夫だよ」

頑張ってと手を引っ張って起こした。

『がんばる』

そして、ゼロは双海さんを倒し、無事賭けには勝利。
それ以上に萩原が嫌味を言った奴絞ってたみたいだけど。
他にも何度か双海さんとの会話はあったけど、どれもこれも普通の会話だったし。

「…俺、他になんかしたかな」

今俺は萩原とゼロに詰問されていた。

「ぶっちゃけてよ、諸伏ちゃん。陣平ちゃんに申し訳ないとかそういうの一切なしで！」

「どういうことだ？」

「どういうことじゃないぞ…双海さん、完全にヒロのことが好きらしい」

「えぇ！？」

「え、まじで？俺飲み会くらいから思ってたよ？もしかしたら双海ちゃんって諸伏ちゃんのこと好きなんじゃね〜って」

今までのことで、双海さんが俺のことを好きだとは思えなかった。

「てか、まず呼び方も気になる！なんでお前だけ景光くんって呼ばれてるんだよ」

「そう呼んでもいいって聞かれたから」

俺がそう答えると、萩原が大きなため息を吐いた。

「これじゃぁあまりに酷すぎる！！」

「ヒロ、さすがにそれは松田にも双海さんにも失礼だ」

「え？」

2人がいうには今、松田が双海さんのことを好きで、双海さんは俺のことが好き。そして俺はよくわからないのほほんとしていて完全に一方通行の完成だと説明された。

確かにそれは一方通行だけど、2人の主張はなんか違う気がする。

「でも、双海さん別に俺のこと恋愛対象に見てないと思うけどなぁ…というか誰も見てないと思うよ。そういうふうには」

「どういうことだ？」

「結構人のこと俯瞰してみてるから、恋愛対象にはそう簡単になり得ないってことだよ。松田の恋路は応援したいけどね」