これからの私たち ページ49
.
『…はぁビジュアルさいこう』
遠くで爆処の部下たちと楽しそうに話をしている陣平くんを見て私がそう呟いた。
「変わんないね、双海さん」
『そうだよ〜お兄さん』
私に話しかけてきた男の人がいた。
顔は違ったけど、話し方と呼び方と声ですぐわかる。景光くんだ。
一応だめもとで降谷くんと招待したんだけど、まさかこんな形できてくれるとは。ぱっと見全くわからないくらい変装がお上手。
『金髪の彼も来てるの?』
「来てるよ、あのカメラマン」
その方向を見れば、確かに近くに見たことない人が立ってる。
あれ降谷くんだったんだ。
『研二くんがあんなに泣くとは思ってなかったなぁ』
「感慨深くなっちゃったんだよ多分」
『陣平くんの周りには良い人が多いねぇ』
最初、こんなに盛大な結婚式を予定していたわけではなかった。
おたがいの上司に結婚します、結婚式しますって話をしたら陣平くんの方の部下やら上司やらが絶対に結婚式に出席する意向を示しまくってたらしくて、結局こうなった。
私の親族として出席してくれたのはお姉ちゃんだけ。
両家顔合わせもお姉ちゃんと陣平くんのご両親とで行った。
「おーい!写真撮影会しようよ!Aちゃんと陣平ちゃんここたって!」
研二くんに呼ばれるがまま、私は陣平くんの隣に立った。
『うわぁ!!っ、なに!?』
急に陣平くんが私をお姫様抱っこしたことによって会場からは野太めの黄色い声7割、本物3割の声に包まれた。私本人は、恥ずかしい。
「陣平ちゃんやる〜!」
研二くんやいろんな人がスマホを構えて写真を撮っている。
「さっき諸伏となに話してたんだよ」
『えっ、知ってたの?』
「挙動が諸伏すぎる」
『ふふ、よく見てるねぇ』
というか、私のこと好きだなぁって思っちゃう。
「今でも諸伏が好きか?」
揶揄うかのような悪い顔でそう言われた。
『今の1番の推しは陣平くんだよ』
「当たり前だろ、目移りさせねぇからな」
カッコ良すぎて息できなくなるくらい心臓がドキドキする。
陣平くんと出会えたことも、付き合えたことも、結婚できたことも、私は本当に運がいいと思う。
〈end of phase 1〉
283人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユナ@前垢消えた(プロフ) - 最後の落ち方が神すぎて続きが待ち遠しい (6月6日 18時) (レス) @page44 id: 0e552ce067 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Lerian | 作成日時:2023年5月22日 21時