勝利の女神_Ha ページ32
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米花中央病院の爆弾を処理し終わってから上司に許可をもらってショッピングモールの観覧車を見に行った。
「いやぁ、どんな状況だったかわかんないけど。どっちみち双海ちゃんに救われちゃったんじゃない?」
「…まぁな」
そういった陣平ちゃんの顔はちょっと笑っていた。
電話がかかってきた。
最後だと思ってかけてきたんだろうから簡潔な内容だった。俺が死んだら敵取れって。
あの時と逆転していた立場に、俺は松田が何を考えているのかがわかってしまっていた。
でもまたあの子に救われた。
俺たちとったら勝利の女神すぎる。
「…一応との事で呼ばれましたが、皆さん怪我は無いようですね」
「すいません、わざわざ」
「いえ、米花中央病院は現在調査中なので、むしろ私たちが出動した方が良かったかと」
怪我をしていたらとドクターカーまで用意されていたのに、陣平ちゃんは無傷で生還した。
そんなこんなしてると、サイレンが鳴った。
「はい、双海です…はい。今すぐ向かいます、足立さん搬送できる病院探してください、私と大森さんは走って現場に行きましょう。本山さん、ドクターカーを歩道橋下につけてください」
「了解です」
お医者さんたちが忙しく走っていった。
ていうか…
「双海って言った?」
「あぁ…けど、それより」
「松田くん!萩原くん!双海さんが!!」
佐藤ちゃんの声で、陣平ちゃんがお医者さんらに続いて走り出した。
「おいおい、こんなのってアリかよ…」
「こちら双海、階段から落ちた時に負ったとされる頭部外傷の患者さん、名前は双海A、26歳。東都大学附属病院が受け入れ可能なので搬送します」
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ユナ@前垢消えた(プロフ) - 最後の落ち方が神すぎて続きが待ち遠しい (6月6日 18時) (レス) @page44 id: 0e552ce067 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Lerian | 作成日時:2023年5月22日 21時