推し婚【松田陣平】 (ページ31)

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勝手に死んだら許さないページ31

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もうあれも何年か前の話になる。萩原研二が包帯ぐるぐる巻きになったあの事件。
犯人の目的は10億円。そして、犯人はすでに1名死亡している。
その1名の死亡を受け、生き残ったもう1人の犯人が爆弾のスイッチを押し、研二くんはしばらく入院していた。新たに犯人を集わせ、犯行を行うより、自分の手で復讐したいと思うだろう。

「Aさん！！」

『後で返す！！』

「そうじゃないです！！」

なら、その復讐したい相手が何をしているのか観察したいはず。
1番いいところで。1番見晴らしのいい場所。

そして、私は運がいいことに4年前の事件で”死んでいない方”の犯人と少しやり合っている。
風貌が全く変わってないのなら、確実に顔を覚えてる。
だって骨折するくらいの怪我負わされてるんだから。私、根に持つタイプの女だし。

陣平くん、口悪いし、態度も悪いけど、優しいし正義間が強い人だから、解体なんてしない。

『ちょっと陣平くん！！！いい？聞こえる！？』

「なんだよでっけぇ声出して」

『私が陣平くんがその爆弾解体できる時間を残して、もう一つの爆弾見つけて犯人逮捕する』

私がそう宣言すると、彼は少し間を開けていった。

「んな奇跡あるかよ」

『そう、難しいことだよ。だから成功したら、私のお願い一個聞いてね。拒否権ないよ』

だから絶対に生きることを諦めないで。

私の返事聞かずに死ぬとかありえない。
絶対死なせたくない。

「A、一応近隣の病院と、周産期医療センター、大学附属病院、いろいろ連絡したけれど、今ちょうどうちの病院からそれっぽいの見つけたって、白い紙袋に入ってるんだけど。見た目が爆弾って感じなの。私は詳しくないけど」

私、流石に豪運すぎる。
ていうかお姉ちゃんの人望最高、流石すぎ。大好き。

『それ、動かさないで、近くの人を避難させて欲しい。そっちに爆発物処理班送るから、場所だけ教えてあげて。爆処にはエースがいるから絶対大丈夫だよ』

一個目のミッションクリア。
じゃぁ私に残されたもう一つの仕事を片付けるだけだ。

『さてさて、あそこの観覧車と、米花中央病院に爆弾仕掛けた犯人はだーれだ』