推し婚【松田陣平】 (ページ28)

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かける言葉は難しいページ28

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上司になるというのは案外難しいと、その立場になり思い知る。
責任の重みが違う。

「Aさん、お疲れ様です」

『…？お疲れ』

私は、多分こういった人の悩みを察するのは得意ではないから
何か悩んでるんだろうなと感じ取っても特にいい言葉をかけてあげたりはできない。

『いっつも話聞いてもらうばっかりだからかなって思うんだけど、私って絶対アドバイスとかヘッタクソだもんね』

「お前、基本脳筋なところあるからな」

お隣でタバコを吸いながらそういう陣平くんも最近ちょっと問題を起こしたようで捜査一課に異動していた。問題起こして捜査一課で頭冷やせってのもまたすごいけど、どんだけ人手不足なんだろ。

陣平くんは捜査一課、私は機動捜査隊。基本初動捜査に赴いたり、その引き継ぎ作業で陣平くんと仕事で一緒になることが異動してから増えた。

「松田くん、そろそろいいかしら」

「…じゃぁそろそろ行くわ」

『頑張って〜』

そして最近気づいたことは陣平くんの年下上司、佐藤さんが陣平くんのこと少し気になりかけているのではないかということ。いやぁ、人の恋路をこうして見てるとわかりやすくてちょっと面白い。
佐藤さん私たちよりも年下だし、優秀で美人だし、めっちゃお似合いじゃん。

そういや警察学校の頃、陣平くんの彼女はどんな人だ予想したとき爆弾とランデブーできる彼女とか意味わからんこと言ってたけど、佐藤さんなら強ち間違っちゃいないのでは？

「あ、双海さんいた。どしたんですか？」

『え？何が？』

「なんか楽しそうだなぁと思って」

『あ、うん。ちょっとね、私探してたの？』

「はい、あの事件ちょっと気になるところがあって、俺勝手に調べてたんですけど、やっぱスッキリしなくて、とりあえずまとまってはないですけど、Aさんに見てもらおうかと」

『お〜、いいよ。これだけ食べたらでも大丈夫？』

「はい」