推し婚【松田陣平】 (ページ21)

今日:123 hit、昨日:261 hit、合計:111,926 hit

笑っていいやつだろページ21

.

『…い”ったぁ』

その日はちょっと酔っ払っていたどころか、ほとんど泥酔していた。飲み会なんだから、酒を飲めと言われ、これからよろしくやっていく仲間だしと思って美味くもない酒を飲んで酔っ払った。

いつもはソフトドリンクでおわるのに。

頭がズキズキして、早く帰りた〜なんて思いながら、普通に帰ってただけだった。まぁ確かに人通り少なくて危なかったかもしれない。

「おい、お前。俺のこと助けてくれ。彼女だろ？なぁ」

『……？』

いきなり良くわからない建物の脇に引き摺り込まれて、壁に体を押し付けられてそう言われた。ラリアットされたのかなって感じ。

「通りすがりの女に縋りつくなんて格好悪いなぁ」

「はぁ。僕たちの手を煩わせないでくださいよ」

「あぁ、見つけた。こちらで処理しておく」

待って待って待って。
この目の前の男は知らないし、もうひとりのキューティクルヘアーなイケメンも知らないけど、
この2人のイケメンは知ってる。

「お、お前らまだ追いかけて」

「悪いことをしたツケは払って頂かないと」

「か弱い女の子に銃なんか向けちゃって」

『え、銃？』

銃向けちゃってという言葉で銃に気づいたけれど、銃声が鳴ったことにびっくりした。警察官ですけど私公務中にも発砲した事ないんだけど？？？

「一般人を巻き込むのは、どうかと思うがな」

「危ないだろライ」

唯一見たことないイケメンが銃に向かって発砲したし、ピンポイントで当たった。どういうこと。ここだけ無法地帯なの？

いやでも、この2人私の知ってるスーパーイケメンだもんなぁ
そんなはずないよなぁ。

「おい、A！」

『なんで名前…あ。Aって面白くないから、これ以上付き合ってられねぇって3回浮気した挙句逆ギレしてきた男じゃん！』

久しぶり〜私今真っ当に生きてるから君みたいな危なそうな人間と関わりたくないな？なんて言ってみると、もう顔がどんどん青ざめていくのがわかる。

笑っていいやつだろこれ。
ていうかこれもはや夢であってくれ。

なんだか事情はわからないけれど、どう考えでもこの状況で悪いのは彼だ。
だって景光くんと降谷くんが追い詰めてるんだもの。

「お嬢さん、酔っ払ってるようだが。ここは危険だ」

『危険かなぁ〜？お兄さん達助けてくれたから大丈夫だとおもうよ！』

「...はぁ、ライ。この子俺が大通りまで送っていくよ」