はじめての大怪我 ページ19
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「お前もそこそこ大怪我してんじゃねぇか」
松田くんにそう指摘されたのは私の左足。折れた。
ここにも松田くんが車で送迎してくれた。
『いやぁ〜まさか車突っ込んでくると思わなくってさぁ。やばいかもって思った時には痛みが勝ってその場から動けなくなっちゃったんだよね』
うまれて初めて骨折したなぁと言うと、俺もこんな大怪我はさすがに初めてだと萩原くんがいった。
いやいや、もう逆に比べないでほしい。
「警察官2人がこんだけボロボロになっとんのに犯人は1人取り逃すとか…」
『取り逃したの、ほとんどわたしのせいです。申し訳ない』
「いやいや!そこ謝ったら俺死んでるから!ね?」
そう萩原くんが言ってくれるけれどもだ、松田くんはどこか煮え切らない様子だった。
こう見えて情に厚い人だから、幼馴染をこんなにした人許せないんだろうなぁ。
『2人でなんとかリハビリ頑張ろうね、気が向いたらまたお見舞い来てあげるよ』
「はは!気が向いたらって、こないやつじゃん」
『だって私これからいっぱい先輩に絞られる予定なんだもん、萩原くんの生気吸い取るくらい病んじゃうと思うから』
私は先輩の指示をフル無視して犯人に職質した、しかも犯人が爆発のボタンを押したせいで少なくともお前が焚き付けたかもしれない。それであろうとなかろうと、その怪我ではできることが始末書くらいしかないからなと脅されてきたところだ。
これで萩原くんが死んでたら私は多分いろんなところから殺意を向けられていたんだろう。
たまたまであろうが、なんでもいい。生きていてくれてよかった。
『わざわざ送ってくれてありがとう、正直めっちゃ助かった』
「困ったらいつでも連絡しろよ、買い物でもなんでも付き合ってやっから」
まぁでも今日は去り際の松田くんがカッコよすぎたのでとりあえず優勝。
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ユナ@前垢消えた(プロフ) - 最後の落ち方が神すぎて続きが待ち遠しい (6月6日 18時) (レス) @page44 id: 0e552ce067 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Lerian | 作成日時:2023年5月22日 21時