社会不適合者の基本 ページ12
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あの頃は完全にもうすぐ人間を卒業するところだった。
やっとあの彼氏を振ったはいいものの、彼氏のことが好きなままだった私はもう何かを努力するとか…なんだろ。ダイエットとか、メイクとか、食事に気を遣うとかそういったことを考えるのをやめた
『…朝って最高』
「にしては眠そうだな」
『あ、おはよう松田くん』
夜が嫌いなわけではないが、あのネガティブな時期にネガティブな感情をさらに生み出してくる実質的生産性が何もない夜よりかは、こうして晴れた早朝の空は最高にポジティブを感じさせると私は思っている。
まぁでも要は心のゆとりがあるかないかだ。
『今日は楽しいことが待ってるからこれだけ終わらせよ〜かな』
「なんか用事でもあんのか?」
『私のお姉ちゃんがね、今までずっと海外で働いてたんだけど、今年から日本で働くことになったから久しぶりに会いに行くんだよ』
「へぇ、そりゃぁ楽しみだな」
『お姉ちゃん、身長高くてスタイルめっちゃいいし。海外から最先端の医療を持ち帰ってくるエリートドクターって巷で呼ばれてるのすごくない?もう勝手に自慢したいもんね』
「医療従事者か、すげぇな。結構歳離れてんじゃねぇか?海外行ってそれなりに学んで日本に帰って来んなら結構かかるだろ」
『10くらい離れてるよ』
「頼もしい姉貴だな」
『ほんとそれだよ、頼もしすぎるんだから』
松田くんは、案外…というより、私の話をものすごく聞いてくれているし優しい。
イケメンはイケメンでも拳銃分解しちゃった話とか、鬼塚教官と揉めた話をとく誰かから聞くから、ワイルドで怖い系のイケメンだと思ってた。
でもなんか思ってたのといい意味で違う。
『あと30分くらいあったらこの課題終わるかな』
「絶対無理だろ」
『えー!希望くらい持たせてよ』
「ゼロで2日かかったって言ってたぞ」
『じゃぁ無理だ。やめよう、明日もなんなきゃ』
「はっや、諦めんの」
最近松田くんについて気づいたことは、笑った顔はかわいいということ。
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ユナ@前垢消えた(プロフ) - 最後の落ち方が神すぎて続きが待ち遠しい (6月6日 18時) (レス) @page44 id: 0e552ce067 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Lerian | 作成日時:2023年5月22日 21時