掴み取れ、強さを。【TOKYO MER】 (ページ9)

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変な人ページ9

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「いやいやちょっと待ってよ〜。ね、さっきから30分はそこにいるよね？暇ってことでしょ？」

埒があかないようだから引っ張って、
なぜか今居酒屋にいる。

『ものすごい偶然ですね。音羽先生ナイスでした』

「あんなところでなにやってたんですか」

『友達と約束してたんですけど、急に公判まで証拠揃わんヤバいって。30分くらい遅れてたのにブッチです。』

「公判、ですか」

お友達は弁護士かなにかですか。と聞いた。

『法医学者です。帰ろうと思ってたところにあれです、音羽先生が来てくれなかったら、蹴ってましたよ私』

『美味しいですよね、ここの唐揚げ』

「…入ったのは初めてです」

『え、もったいな。音羽先生はなにしてたんですか、
家がここら辺とか？』

「近くはないです。」

『まじですか、私も近くはないんですけど単車で約30分くらいかな。』

酒一滴も入ってないのに、ノリが酒を飲んだ人だ。

「おっ！Aちゃんきとったんかぁ今日はみんなおらへんねんなぁ」

『そー！五十嵐と約束してたのにあいつ約束破りやがったんだよ、まじでどう思うよおじいちゃん！』

「そりゃぁ、あかんなぁ！約束守られへん男は結婚できへんわ！」

店の奥から、いかにも居酒屋の店主みたいな人が出て来てA先生と親しげに話をしている。

「おじいさんですか」

『みんなのおじいちゃんなんです』

「わしはな！みんなのじいちゃんや！」

『おじいちゃん〜トマトくださぁい。増し増しで』

「あいよ！！」

『音羽先生は飲まないんですか？』

「A先生が飲まないので」

『なるほど、なんかすいません。帰り私が送りますよ』

…日中あれだけ疲れてるのに、
今は逆に生き生きしてる。

『あ〜ラムネうっまぁ』

「ラムネ飲んでるのに酒飲んでるようなテンションになるのやめてください」

『だってテンション上げとかないと、明日から世間は休みなのに自分が当直続きだって現実受け入れられないじゃないですか』

…そういうことか、ただの現実逃避

「また過労死の一歩手前まで行きますよ」

『その時は助けてください』

「医者なんですから自分で体調管理くらいはしてください」

『ほんと、労働なんてクソ喰らえ』

「とか言っときながら、好きなんですよね仕事」

『バレてましたか？』

やっぱり、A先生はかなり変な人だ。