労働は罪_s ページ4
■
『……お疲れ様……でした。』
「おつかれ、Aちゃん…みんなお疲れ様」
「交代来たから帰りましょうか」
「うぃーっす。蓮見、倒れんなよ」
『そっちもな』
今回ちょっと不手際があって、既に休憩ありながらも32時間労働という意味わからないことが起きている
みんな干物のように、身も心もボロッボロ。
だから私がもう無理だなんて弱音を吐いてはいけない。
48時間中12時間は爆睡
つまり働くか寝るかしかしてないこの2日
それでも、頭痛とよく分からない腹痛とそれを我慢してると冷や汗悪寒。もう自分の体やっべぇなと思いながらエレベーターの前にいた。
これはもう本当にガチな体調不良だ。
早く寝よう。
今日はすぐ帰って爆睡するんだ。
ぜったいに
『……あ、大丈夫ですよ。階段で降りるので』
足元フラフラ、もはや自分が何をしようとしてるのかもよく分かってない。
階段ってどこだっけ。
「顔色が悪いですよ、私が階段で降りるので乗ってください」
『……あ、私はここの医者なので…平気です』
「関係ないですよ、そんなの」
なんて女神レベルの優しさを持つ女性なんだろ。
めちゃめちゃいい人この世の中にもいるんだな。
大天使様って思いながら、
エレベーターに入れ違いで乗り込んだ。
『すいません、長くなってしまって』
「いやぁ、全然いいよ。君は、どこの医者かな?」
おじいさんと、その孫かな…?
すごい真面目そう……
『救命科です』
「お名前は?」
『あ、名前は……』
ん?なんで名前言わなきゃなんないん?と思った瞬間、
エレベーターが揺れた。
そしてこのじいさんが民自党幹事長の奴だと自分で自己紹介してくれた。
『大丈夫ですか?少し体を動かしますね、落ち着きましょ。ゆっくりね、ゆっくり呼吸してください』
「おい君!ワシのことも見んか!!」
「天沼先生、私が。」
「音羽に言っとらん!!!」
『おいおいおいおい、マジかよ……今日はすぐ帰って夜中まで爆睡するつもりだったのに』
理解した、この人は多分官僚だ。
そんで、元一がいってた医系技官の音羽先生。
287人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Lerian | 作成日時:2021年9月23日 20時