子どもらしくあれた日々 ページ3
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「あれ津美紀は?」
「今日、課外活動でお泊まり」
『そーなん?私全然知らんかった、お弁当とかいらへんかった?眞矢が用意してくれたん?』
「いや、俺料理できないんで。神田さんが捨てれる容器で弁当作ってくれてました」
『あ。そうなん?あの人料理うまいもんなぁ、キャラ弁作れるし』
その日は珍しく人の出入りも少なく、
リビングには俺と眞矢とAさんの3人しかいなかった
「なんで今日こんなみんないないんだ?」
大体俺は知らないけど向こうは俺の事を知っていて
いつも何かをくれるおじさん達が多かったが、
これといって嫌だと思ったことは無かった。
数ヶ月過ごしただけで、俺にとってその家はそれほど温かく居心地が良い場所になっていた。
「本部じゃないからな」
「本部?」
『桐島組の本部はな、大阪にあってそっちに今めっちゃ人出向いてんねん。おじいちゃんもそっちおんのちゃうん?』
「ですよね」
『今兄さんら暴れてるからなぁ…バタバタするのもしゃぁないな。落ち着いたら恵と津美紀も遊びに行く?』
「…!行きたい」
「ホンマに言ってるんですか?あっちのジジイらバリダルいのに」
『確かにめんどいけど、子ども好きやろあの爺さん達』
恵と津美紀が行きたいんやったら
今度4人で向こう行こうかって、
約束したのを覚えてる。
『そういや、今日悟と会ったやろ?なんか言っとった?』
「そろそろ任務がなんかって言ってた、覚えてない。けど、忙し〜って」
『マジでほうれん草なってへんなあいつ』
「呪術師の方ですか?」
『そうや、ごめんやけど眞矢。恵のこと見といてくれん?私今から行ってくるわ』
「あ、ちょっと!」
『帰ってくんの夜中なるやろし、晩御飯はさっき作り終わったから冷めんうち食べてな!!』
縁側から柵とびこえて、Aさんは任務に行った。
「恵…お前…パプリカ嫌いなんか」
「…美味しくない」
「じゃあナス食ってくれ、パプリカ俺が食ったるわ。Aには内緒やで」
「うん、内緒」
あの時間、あの場所が
俺が子どもであれた場所だった。
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作者名:Lerian | 作成日時:2023年1月12日 1時