雛35匹：怒り ページ36
｢どういうこと…？｣
疑念を浮かべて炭治郎を見る。
先ほどとは打って変わった私の様子に、炭治郎はちょっとどもった。
真横に置いてある刀に、手を伸ばす。
それを見ると、とうとう炭治郎は真っ青になって私に言った。
｢A！すまない、言ってなくて…。話を聞いてくれ！｣
｢…話っていっても…。…なんで鬼連れてるの？｣
｢鬼だけど、禰豆子は人を食わない！信じてほしい。本当なんだ！！｣
私の感情は最大限まで高ぶっていた。
でもそれは、怒りではない。
裏切られたような悲しさだった。
鬼にメチャクチャにされた過去を持つ者ばかりの鬼殺隊でそんなことするなんて侮辱行為よ。
目の前の男が、憎くて憎くて仕方ない鬼を連れてるって？
なんでそんなこと。
なにが“人間を食べない”だ。
…師範は鬼に食べられて死んだんじゃない。
｢…｣
｢…｣
善逸がおどおどしながら私と炭治郎を交互に見た。
苦い顔をして私を見つめる炭治郎に向かって、口を開く。
｢私にも、その事実を隠して生活してくれと？｣
｢……あぁ｣
苛立ちで、刀を握る手が汗ばんだ。
｢…私、最終選別から帰って次の日に、鬼に師範を殺されたの｣
誰かが唾を呑む音が聞こえた。
声が震える。
｢鍛錬には厳しい人で辛いことだってあったけど、家族のように接してくれた暖かい人だった｣
｢…｣
｢そんな憎悪たらたらの私に、炭治郎さんはまだそんなこと言える？｣
まっすぐと炭治郎を見る。
それでも彼の目は、意志は、変わることはなかった。
｢……頼む｣
固く強い意志の通った目。
彼は変わらない。
動じない。
それだけその鬼が、特別な存在なんだろうか。
｢………わかった｣
｢……は、ほ…ほんとかっ！？｣
｢うん｣
半ば諦め半分にそう言うと、炭治郎は“ありがとう！”と花が咲いたような笑顔でお礼を言った。
それを見て、少し罪悪感が湧いてしまう。
熱くなった額に手を当てた。
｢うん…そうだよね。優しい炭治郎さんが理由も無くただ鬼を連れてるなんて…ありえないよね｣
｢A…｣
｢ごめんね。許して｣
そう言うと緊迫した状況が元に戻り、炭治郎は“やっぱり、皆優しいな。ほんとにありがとう！”と頭を下げてみせた。
一方的に言ったのは私なのに。と思いながら布団に戻ろうとしたその時だった。
あの箱が、カリカリと音を立てはじめたのは
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ゆきだるま(プロフ) - 砂糖しぁっ。さん» いえいえ〜全然構いませんよ〜！これからも頑張って下さい！応援してます〜+.(*'v`*)+ (2019年12月27日 13時) (
レス) id: bda2441edd (このIDを非表示/違反報告)
砂糖しぁっ。(プロフ) - ゆきだるまさん» どうも初めましてこんにちは！！指摘有り難うございます！！コメント全然気付きませんでした！！ごめんなさいそしてありがとう！！！ (2019年12月27日 12時) (レス) id: 51da6414e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきだるま(プロフ) - どうも、初めまして！この小説を読み始めたのは最近なんですけど、すっごいハマりました…！頑張ってください！！それから、炭治郎の''郎"の字が"朗"になってますよ〜応援してます！ (2019年12月14日 8時) (レス) id: bda2441edd (このIDを非表示/違反報告)
砂糖しぁっ。(プロフ) - くどはるさん» コメントありがとうございます！！いい意味でも悪い意味でも、裏切ります！(無駄にいきいきしてる)。続編制作中ですので、楽しみに待っていてください！！ヒロインちゃんまだまだがんばりますよ！！！！ (2019年8月29日 19時) (レス) id: 51da6414e6 (このIDを非表示/違反報告)
くどはる(プロフ) - いい意味で裏切られたような感じです！ヒロインちゃんに簡単には靡かない男性陣たちを見れて新鮮だしとっても面白かったです。続きが早くみたくて待ちきれないです！！ (2019年8月29日 2時) (レス) id: 356a43a05c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：砂糖しぁっ。 | 作成日時：2019年7月6日 18時
