雛23匹:屋敷の中 ページ24
おんぼろ屋敷の中は、床も所々コケがはっていて、かけた床板の隙間でつまづくのも度々。
そのたびにパツキンが「ひゃああAちゃん俺を殺す気ィ!?可愛いから許すけども!!!」なんて言ってこちらを振り向くので、鬼に気付かれるのではないかと少々心配。
ごめんね。私ドジなのかなぁ。なんて言ってパツキンの泣き言をかわす。
先程から私は一人最後尾を歩いている。
パツキンが私を前へ行かせてくれないのだ。その理由は…
「炭治郎ぉぉ…俺を守ってくれるよなぁ…俺Aちゃんを守るから、お前は俺とAちゃんを守れよなぁ…!」
「…そこまで私弱く見える?」
「ううん!俺より絶対百倍必ず強いけど、Aちゃんは可愛い女の子だから!」
「んふふ、嬉しぃ」
いざとなったら盾になるつもりかなこの人。そこまで私鬼じゃないからもしもの時は助けてはあげるけど、できるだけ別行動を希望する。
まぁ守ってくれるのなら好都合。汚れなくて済む。この袖をつかむ手は離してほしいけど。
「あの…二人とも、」
「ん?」
炭治郎が立ち止まって、こちらを振り向いた。
「俺は、前の戦いであばらと足の骨が折れてる。だから…」
「…はあああああああああ!!!?」
「…」
なんとここで意外な告白。あ、前の仕事それくらいのレベルのだったんだ。
てかそれよりもパツキンがうるさくてしかたない。
「なんで折ってるの、骨ッッ!!折るんじゃないよ、骨ェッッ!!!!」
「善逸さん!落ち着いて…」
「折れてる炭治郎じゃ俺を守りきらないぜぇぇぇ!ああああ死んだァーッ!これ死んだーーッ!!九分九厘死んだーーーッッ!!!死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ」
「ぜ、善逸!おちつけ!」
グルグルと床を転がるパツキン。さっきよりもうるさく叫ぶので、これけっこう屋敷に響き渡ってる気が…。
すると玄関の方から、誰かが駆け寄ってくるような足音が聞こえた。もしや。と思うよりも早く、炭治郎が「来ちゃダメだ!」と言う。
刀に手をかけて警戒したが、来たのは先程の子供だった。それから男の子が、あの箱がカリカリ言う。と訴えたりしている。
女の子の方は不安そうな顔をしたまま、パツキンの横にかがんでいた私の元へ来た。
「…よしよし、怖かったねえ。よく頑張ったよ」
「ん…」
今にも泣きそうな顔の女の子を撫でると、ふと安心したように顔を拭った。
小さいのによく我慢してるなぁ。と思い、私は再度、女の子の頭を撫でた。
528人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆきだるま(プロフ) - 砂糖しぁっ。さん» いえいえ〜全然構いませんよ〜!これからも頑張って下さい!応援してます〜+.(*'v`*)+ (2019年12月27日 13時) (レス) id: bda2441edd (このIDを非表示/違反報告)
砂糖しぁっ。(プロフ) - ゆきだるまさん» どうも初めましてこんにちは!!指摘有り難うございます!!コメント全然気付きませんでした!!ごめんなさいそしてありがとう!!! (2019年12月27日 12時) (レス) id: 51da6414e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきだるま(プロフ) - どうも、初めまして!この小説を読み始めたのは最近なんですけど、すっごいハマりました…!頑張ってください!!それから、炭治郎の''郎"の字が"朗"になってますよ〜応援してます! (2019年12月14日 8時) (レス) id: bda2441edd (このIDを非表示/違反報告)
砂糖しぁっ。(プロフ) - くどはるさん» コメントありがとうございます!!いい意味でも悪い意味でも、裏切ります!(無駄にいきいきしてる)。続編制作中ですので、楽しみに待っていてください!!ヒロインちゃんまだまだがんばりますよ!!!! (2019年8月29日 19時) (レス) id: 51da6414e6 (このIDを非表示/違反報告)
くどはる(プロフ) - いい意味で裏切られたような感じです!ヒロインちゃんに簡単には靡かない男性陣たちを見れて新鮮だしとっても面白かったです。続きが早くみたくて待ちきれないです!! (2019年8月29日 2時) (レス) id: 356a43a05c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:砂糖しぁっ。 | 作成日時:2019年7月6日 18時