【銀魂 夢小説】瞳は災いの元 弐【男主】

心四十欠片 ☆ ページ5

*



──……、……い……。

──……おい……じょ……かりしろ……。

──おい二人共、大丈夫か!? しっかりしろ……!!



『ん……あ、れ……星海、坊主さん……？ 俺……うぐッ!!』

「馬鹿野郎、無理して喋るんじゃねぇ!! 傷口が開くぞ!!」



そうだ……俺、神楽ちゃんがえいりあんにやられたから……必死で戦ったけど、左肩と脇腹に攻撃を受けて……。

意識が戻ってから、痛覚も戻ったのか……体が痛みだす。視線を向けると、案の定隊服は破れ、血が静かに流れていた。

後頭部も痛い……ああそうか、後頭部も殴られたんだったか……それで気絶しちゃったのか。



『すみません……娘さんを、守る事が出来なくて』

「二人まとめて食われてねぇだけ上出来だ。人間なのに中々やるな」

『はは……そりゃ、どうも』



しかし……どうしたものか。力むと傷口から血が出るし、片手で振るう刀の威力なんて高が知れている。

このままじゃ、俺はただの足手まといに……でも、それは嫌だ。



『とにかく、どうか彼女だけでも安全な場所へ……！』



残りの力を振り絞り、俺より重傷な彼女に肩を貸して担ぐ。

ここでふと、空を見上げた。灰色がかる空だ。──だが、その中に何か不審なものが。



『あの船……何だ？』



数隻の巨大な浮遊船が、ターミナルに向かってゆっくりと近づいてきていた。黒光る装甲に、大きな砲筒。あれ、もしかして……松平のとっつぁんの船か？

──もし本当にそうだとしたら、何か嫌な予感がする。

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