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心三十八欠片 ☆ ページ3

『神楽ちゃん……!!』

「A! 何で来たア……危ないっ!!」

『ッ!?』



彼女が俺にそう言葉を掛けた瞬間、声色を変えて、俺の顔すれすれに……傘での突きを繰り出した。

破裂音が聞こえる。ちらりと後ろを見ると……えいりあんが、後ろから襲おうとしていたらしい。

……少し油断してしまった。あらゆる方向に、神経を集中させなければ。



「何で来たアルか! 早く立ち去るヨロシ!」

『そんな事、出来ない。君は夜兎だけど、体力が永久に持つ訳ではない……いつかは押し負ける』



だから──もし自分の身が危ないと思ったら、俺に任せて逃げて。

我ながら無謀だと思う。夜兎(神楽ちゃん)でもいずれかは押し負けるであろう相手なのに、常人より少し強いだけの俺に……到底何とか出来るはずなどない。

具体的な勝算もなしに言っているところ、組織にとっては……無責任かつ、迷惑な言動かもしれない。

でも……ここで彼女を助けなかったら、どうなる? きっと銀時さんが、来てくれる。そう思ってはいるが、間に合う保証などない。だから俺は、それまでの時間稼ぎをする。



「そ、そんな、Aを置いてくなんて出来ないヨ!」

『ありがとう……でもね、俺の役目は市民を守る事だから。せめて、銀時さんが来るまでの間の……時間稼ぎになれれば良いな』



……次から次へと、えいりあんが向かってくる。刀を構え直して、思い切り地面を蹴り、全神経を集中させて斬りかかった。血液と思われる緑色の液体が隊服に掛かるが、そんなの気にしていられない。

それにしても……このえいりあんの出どころは、一体どこだ? 知能があるようには思えないし……宇宙からの輸入品の荷物の中にでも、混ざり込んでいたのだろうか。

そういえば、以前銀行で立て籠り事件を起こした時……あの後、どうなったんだっけ? 土方さんによれば、何やら珍獣好きなお偉いさんに譲渡したらしいけど……まさか、その人が何かやらかした?



『……これは、始末書の数がヤバい事になりそうだ』



少しでも気を抜いたらやられかねない状況なのに──不思議と、恐怖感はなかった。

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設定タグ:銀魂 , 男主 , 真選組   
作品ジャンル:アニメ
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ななみ(プロフ) - ウマ娘ネタやるならクロスオーバータグがいるんじゃ... (11月20日 12時) (レス) id: b9dbee0f0f (このIDを非表示/違反報告)
ろぽん(プロフ) - 面白いです!作者様のペースで無理のないよう更新頑張ってください!待ってます!! (2020年8月15日 23時) (レス) id: 94c21bcf57 (このIDを非表示/違反報告)
うp主(プロフ) - ひろとさん» レス遅れて申し訳ありません。ありがとうございます!これからもゆっくり頑張りますので、よろしくお願い致します。 (2020年2月7日 15時) (レス) id: f8646b5aca (このIDを非表示/違反報告)
ひろと - 面白いわ (2018年7月19日 21時) (レス) id: 49d8f5487f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うp主@
作成日時:2018年4月21日 6時

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