心四十七欠片 ページ12
不本意だが股間の話で盛り上がっていると、店の引き戸が開いて一人の女性が入ってきた。
ダークブラウンの髪を横に束ねて纏め上げており、赤いチャイナドレスに白のファーを纏っている。ついでに、手には一つ風呂敷に包まれた荷物を抱えていた。
「あ、姉上!」
新八君が最初に声を上げた。へぇ、彼のお姉さんなんだ……スレンダーで、綺麗な人だ。
……しかし、何故チャイナドレスなんだろうか。何か今日って、特別な事あったっけ。それを疑問に思っていたのは、僕だけではなかった……らしい。新八君がお姉さんに問う。
抱えていた荷物をカウンターに置くと、質問の回答を始めた。
「今私の店、チャイナドレス強化月間で、皆これを着て仕事してるの」
「チャイナドレス強化月間って何ですか……何が強化されるんですか」
「男の妄想よ」
そう目を細めた彼女は、何だか獲物を狩るチーターのような……少し怖い目をしていた。コスプレ、店……ときたら、ガールズバーかキャバクラで働いているんだろうか。
銀時さんにも見せびらかすが、目もくれず……先程、猫耳の店員さんに言われた事を引き摺ってか、俯いて何やらブツブツ言っていた。
長谷川さんが「今何話しても無駄、理由は聞くな」と補足する。
『……似合ってますよ。お姉さん』
「アラ本当? ありがとう、嬉しいわ。ところで貴方は……」
『心瑪A……です。普段は警察やってます』
「私は志村妙よ、お妙って呼んでくださいね。警察って、もしかして真選組?」
ええ、まあ。……そう答えると、お妙さんはにこりと笑って「丁度良かった!」なんて言う。
──ゴンッ!
カウンターが一瞬揺れ、器の中の酒が波立つ。お妙さんが、カウンターに握り拳を思いきり落としたからである。
「お宅の局長さんがね、以前から私にストーカー行為を働いてて困ってるの〜。止めるように言ってくださる?」
『あ……は、はい。言っておき、ます』
え……新八君のお姉さん、怖くない……? 綺麗な人かと思ったけど、一筋縄じゃいかない戦闘力を持っていそうだ。
そういえば、近藤さん……時々、顔面に青痣作って帰ってくる事があるな。しかも、大体非番の日に限って。
休みの日にお妙さんをストーキングが見つかって鉄拳制裁、なら辻褄が合う。全くもう、あの人は……注意、しておこう。
「あの……ところで銀さん。もしかして、神楽ちゃんの事で落ち込んでいるの?」
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ななみ(プロフ) - ウマ娘ネタやるならクロスオーバータグがいるんじゃ... (11月20日 12時) (レス) id: b9dbee0f0f (このIDを非表示/違反報告)
ろぽん(プロフ) - 面白いです!作者様のペースで無理のないよう更新頑張ってください!待ってます!! (2020年8月15日 23時) (レス) id: 94c21bcf57 (このIDを非表示/違反報告)
うp主(プロフ) - ひろとさん» レス遅れて申し訳ありません。ありがとうございます!これからもゆっくり頑張りますので、よろしくお願い致します。 (2020年2月7日 15時) (レス) id: f8646b5aca (このIDを非表示/違反報告)
ひろと - 面白いわ (2018年7月19日 21時) (レス) id: 49d8f5487f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うp主@
作成日時:2018年4月21日 6時