【銀魂 夢小説】瞳は災いの元 弐【男主】

心四十六欠片 ページ11

『いや、あの……もしかして君、馬鹿？』

「あんだとテメェ！」

『いい歳して病気か何かで股間腫らしてるのなんて、馬鹿以外の何物でもないと思うけど』



おっと、つい饒舌に悪口が出てしまった……あまりにもアホみたいな悩みを、真剣に言うものだから。

そんな話題になったからか、場の雰囲気が一気に変わる。先程のしんみりした雰囲気は……どこへやら。



「え〜汚い手で触ったんじゃないっすかぁ〜？」



新八君がおちょくるように、ニヤケ面で銀時さんに言う。「おめーと一緒にすんな」なんて言って、股間を服の上から押さえながら、新八君と長谷川さんの間の席に座った。

男にしか分からない悩みとはいえ……会話の内容が酷すぎる。ビールをぐびぐび飲んでいた長谷川さんは、病気でも貰ったんじゃないのか、なんて言っているし。

俺、本当にこの場にいて良いのか……？



「気のせいじゃないっすか？ 元々そんな大きさだったとか」

「いやァ、こいつはもっとこう……謙虚な奴だったよ」

「ミミズに小便でも引っ掛けたんじゃないかい？ 腫れるって言うよねェ」



途中まで冗談ぽく笑っていた銀時さんだが、何か思い出したのか……言葉のキレが悪くなった。

そういえば、今回のえいりあん……ミミズにも見えるような、そうでないような……あっ。もしかして。

予想が当たったのか、彼の顔を見ると青ざめている。



「いっいや……ミミズじゃねーから。ミミズみてーなえいりあんだから」

「えいりあんニ小便カケタンデスカ？ アーア、モウダメネ。私ノ友達、ソレヤッテ今ハ星ニナリマシタ」

「星になっちゃうの!? どうなんの俺!? てか、もう一人の俺……」



しょげた顔をして、自分の股間を見つめている。……えいりあんなだけあって、ただのミミズよりは悪化しそうな気はする、けど。

俺もふざけ半分で「爆発でもするんじゃない？」って……言ってみたら、冗談じゃねぇって、怒られた。

すっかり話が流れたけど、これもう軌道修正……不可能じゃないかな。

全くもう、もしこの場に神楽ちゃんがいたらどうするんだ……居た堪れないな、本当。

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