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北「あ、着いた。行こ」
貴「着きましたねー、あ、私、北山さんのことなんて呼んだらいいですか?ニカのお友達だし北山さんは他人行儀過ぎるかなーって思うんですけど」
北「ミツ、、、宏光って呼んで、あと、敬語も、やめて」
呼び捨てで呼んで欲しいのはただの俺のわがままだった。この子に、呼び捨てで呼んでほしい。そんな思いしかなかった。
貴「宏光、宏光、宏光、わかった!じゃあ、私も呼び捨てで呼んでね!」
北「A」
貴「は〜い」
そう言ってAは笑いながら俺の方を見た。
正直、もうこの時点で俺はAのことが好きだったのかもしれない。
商業施設ではお目当てのイヤホンを買って、Aの服を見た。どうやら汚れた靴下の替えは高校指定のものらしく売っていないらしい。
Aはきっと興味がないイヤホンの話にものってくれて終始ニコニコしていた。じっと俺の目を見て話を聞いてくれて、その綺麗な瞳に俺が映るたびにドキッとした。
自分の服を選んでいる時も俺は暇にさせないとジョークを言ったり、どっちがいいかな?と問いかけてきたり。
俺好みの服をいったら、「確かにこれいいかも〜」といってその服を買っていた。
商業施設を一緒に回っていくうちに俺たちの仲はどんどん深まった。
最初は二階堂の話ばかりしていたけれど中盤から全く関係のない互いの趣味の話、今までの面白い話、
時々出てくる二階堂の話は、正直聞きたくなかった。
だんだんAのことが好きになっている自分がいたからだ。
本当に、二階堂の言う通り、いい子だった。
こんなコロコロ変わる表情を見れる二階堂が羨ましかった。
買い物も終わり次どうしようかーと言う時
貴「ね、宏光。クレープ食べない?甘いのが食べたいんじゃ〜」
とAが言った。
北「いいよ、そこの屋台のクレープ食べよ」
貴「うわ〜やばい。全部美味しそう。何食べよっかな〜」
北「俺バナナクレープ〜」
貴「じゃあ私いちごクレープ〜」
俺の声のトーンに合わせてAが言ってくる。
クレープが出来て、必死にリスみたいに食べるAの姿があまりにも可愛くてつい写真を撮ってしまった。
貴「いや何撮ってるの笑笑」
北「いやリスみたいだったから笑笑」
貴「宏光もリスっぽいよ笑笑」
北「じゃあ俺らリス兄弟っていうことで笑笑ね、A一緒に写真撮らない?リス兄弟を記念して笑笑」
冗談混じりでいうと
貴「ん〜それは駄目、ニカが悲しんじゃうから」
と断られた。
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作者名:totsukada | 作成日時:2018年1月16日 23時