ストーカー ページ3
え、何あの車。あれ、いつも来る常連さんの車だ。
どんな顔だったけ。あの、あれだ、、、鈴木拓を何発もぶん殴って太らせた顔の人だ、、、。
「あ、あの車常連さんの車なんです」
とっさにこう答えてしまった。
カワウソさんは、ん?みたいな表情で聞き返してきた
「いや、常連さんでもストーカーされてるのは間違いないでしょ、知り合いか何かなの?」
「いや全く」
カワウソさんは、は?みたいな表情をして
「あのさ、とりあえず今日は俺が送って行くから前まで歩いて」
と若干強ばった表情で言ってきた。
8時間労働の後の私の頭はあまり回っておらず、この状況の危険さにしっかりと気付いていなかった。
そのあとはカワウソさんと私、そして後ろには車が付いてくるという謎の状況の中足を進ませた。
カワウソさんはNYの帽子を深く被り直し、
「俺んち来る?」
と私に言った。
「へ?」
(What?ORENCIKURU?)
「いや勘違いしないでね、後ろの車、まだ着いてきてるから。多分君んちまで着いていって住所覚えられるよ。とりあえず俺んちまで来てカモフラージュしよう」
とカワウソさんは言った。
あ、そういうことか、うんうん納得、、、。いや納得は納得なんだけど、、、。
(なんだこの状況?正直、事態の緊急さを飲み込めていない自分がいる。だっていつもニコニコしながらコーヒーと肉まんを買っている常連さんが私のストーカーだなんて、、、。まず信じられないし、あと私そんなストーカーされるほどのとびきり美少女でもないし、、、。)
また頭の中で脳内会議が始まりそうになった時
「ご両親は?連絡つくの?今家いらっしゃるの?」
とカワウソさんが声をかけて来た
「あっ、、、今は家には誰もいないです、、、」
会話だけ聞いたらカップルそのものだ、状況は天と地ほど違うけれど
「尚更危ないじゃん、君、今の状況の危険性わかってる?多分俺いなかったら今頃君襲われてたよ?」
とカワウソさんが私に少し怒り気味で言ってきた。
そうか、そんな危ない状況なのか、仰天ニュースとかでやってるストーカー事件で今実際私に起こっているのか。
テレビでぼんやり見ていたストーカー事件を我が身だと考えると急に恐怖に襲われた。
いや、これだいぶ危ない状況だわ。
私はこのまま歩くことも家に帰ることも出来ないと判断してカワウソさんに
「すみません、家行かせてください、、、」
と半泣きで言った。
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作者名:totsukada | 作成日時:2018年1月10日 23時