バイト先に来たカワウソさん ページ1
「いらっしゃいませ〜」
「ありがとうございました〜」
「いらっしゃいませ〜」
あー、、、。この繰り返し、、、。
飽きた、、、。
コンビニでアルバイトを始めて早2ヶ月。何回も何回も繰り返す「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」に気が狂いそうになっていた午後9時、、、。
バイト終わりまであと45分、、、。
10分をあと5回近く繰り返すのかあ。
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はー長いなあ、、、。
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私は18歳、高校3年生だ。受験も終わり、一息つこうと思っていたところ、「車の免許代は自分で稼げ、自分のためになるから」という母の助言に近い強制に従い、近所のコンビニでアルバイトを始めた。
仕事内容は主にレジ打ちと品出し、後はお客様の郵送の手続きをしたりタバコの銘柄を覚えたり。まあまあ仕事が多い。
しかし、店長からの評価は良いし、変な客も少ないし、同級生はいなくてつまんないけど頑張りますか〜とこんな感じのバイトライフだ。
そーんなことを考えながら、のんびりと店内を見回っていた9時40分、コンビニの入店音が店内に響いた。
(まじか、あと5分で上がりなのに客来ちまったよ、、、)
若干嫌な気持ちが表情に出ながらも私は明るく、
「いらっしゃいませ〜」
と挨拶をした。
「すっ、すいません、トイレありますか⁇」
NYと主張の激しい帽子とそこからチラッとだけ見える茶髪、謎の柄のジャージを着たバカっぽそうな声の男性が私に声をかけてきた。
まるっきり見た目は田舎のヤンキーのそのものだ。
(あ〜この人バカなんだろうなあ。コンビニにトイレなかったら存在価値の半分は下がるだろ)と頭の中で思いながら
私「はい、ございますよ〜。店内の左奥にあります」
「すみません、借りますっ!!!!」
と笑顔でどヤンキーが返してきた
便器が汚されませんように〜なんて思いながらその人の笑いながらトイレに向かう横顔をしっかりと見てみた
ん、んんん、、、
いや、、、
めっちゃ、、、
カワウソっぽい、、、
そんな思いが頭によぎるほどその人の顔のインパクトはすごかった。とにかくカワウソ。
「え、かわいい、、、」
ポツリと言ってしまった。そのぐらいかわいい顔だった。
どヤンキー改めカワウソさんはトイレの中に入っていった。
本当に、ほんの一瞬だけ、ドキッとした。
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作者名:totsukada | 作成日時:2018年1月10日 23時