十三話「一閃」 ページ17
血飛沫が舞った
赤い鮮血は人間のもので、肩口を深く斬られたあろまは武器を構える事すらままならない
カラン、と乾いた音を立てて地面へ落ちた自らの武器を、どこか他人事のように眺めていた
＿＿＿＿＿終わりか
既に立つ気力も失い、膝をついたまま目を閉じた
「......隊長さん、こんな所で死なないでよ？？」
ふと、穏やかな声が耳を叩き、周囲を囲っていた敵が消える
いや、正確には消えた訳ではない
敵の上半身を見上げる角度だった視界から姿を消したのだ
緩慢な動きで地面を見ると、両断された敵の上半身がいくつも転がっていた
「まさに危機一髪って感じ？
間に合って良かったよ」
青黒い液体で身体中を汚しながら、西軍中佐が笑っていた
「.....中佐....」
ヒラの表情をよく見れば、肩は大きく上下し、額に汗を浮かべている事に気付く
A国は片が着いたのか
援軍に駆けつけた中佐の姿に、表現しきれない程の安堵を覚えたあろまは、そのまま倒れるようにして気絶してしまった
「ありゃりゃ、本当に限界だったんだねぇ
....さぁて、うちの軍の隊長をここまで追い詰めた罪、しっかり償って貰おうかな」
「＿＿＿＿＿＿その命でね」
恐らく知能はあるのだろう
まるで未知の恐怖に直面したかのような凄絶なオーラに、エイリアン達がゆっくり後退を始めた
各地で、エイリアン軍の勢いは衰えていく
それはまるで満ちた潮が引くように
だがこれで終わりではないのだ、と南軍総統は語った
今はまだ、敵の第一陣が引いたに過ぎない、と
無線を通してその報告を聞いたヒラは、転がった敵の死体を踏み越え、あろまを抱えたまま歩き出した
通信が途絶えたのを確認し、独り言のように呟く
「分かってるよ、ちゃんとね
.........結局、全部殲滅すればいいんでしょ？？？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 102人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ココア(プロフ) - シオンさん» コメントありがとうございます！はい、元ネタは我々だの方々の実況です。対エイリアン、という単語にハッとしまして.....。更新頑張ります！！ (2017年7月1日 17時) (
レス) id: 742ad63ee0 (このIDを非表示/違反報告)
シオン - 番外編、おめでとうございます!!楽しみです!!エイリアンは元ネタ我々だですか? (2017年6月30日 16時) (レス) id: 986262ce68 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ココア | 作成日時：2017年6月29日 13時
