記録、九十一枚目 ページ5
そして侵入から数日が経ち、此方での作業が安定してきた頃
Aは、市へ買い出しに出ていた
『ふぅむ、思ったより怪しい動きは無いのね
基地に近付ければ、別の事も分かりそうだけど…
あんまり目立っても良く無いかしら』
夕飯の材料を探しつつ、仲間への報告案件を処理
特に動きの見られないこの国に、微かに不安も募っていた
尚、他の三人は手軽な仕事を探している最中で
数日の間、家には殆ど帰って来られない
『えっと、人参は…
……っと、ごめんなさい』
メモを見ながら歩いていると、一人の男とぶつかった
「あぁ、気にしないで下さい
……おや、珍しい顔立ちのお嬢さんだ
ひょっとして、何処から他所からいらっしゃったのかな？
宜しければ、何処かでお茶でも…」
『…えっ？』
ぶつかった男は、目を合わせた途端にペラペラと話し出した
Aは、面食らいつつもその男を観察する
……顔を見ただけで、すぐに余所者だなんて分かるかしら
それになんだか、此方の素性を探っているようで気味が悪いわね
男は黒髪で、決して端整と言える顔立ちでは無いが
何処か親しみやすい魅力を持っていた
初対面で、さらりと相手の身元を切り込んでくる話し方から
実は油断ならない人物かもしれない、と悟った彼女は、早々に話を切り上げる事にした
「あ、いえ失礼
自己紹介がまだでしたね
私は鬱という者です、良ければこのあと二人きりで…」
『あっ、ごめんなさい
買い物の途中で急いでいるので』
アプローチを完全に無視して、さっさと退散しようとする彼女に
鬱は残念そうな顔をして、名刺のような物を渡した
「おやそうですか、残念だ
じゃあこれを受け取って下さい
私の職場に入れるパスポートのような物です
これを門番に見せて、先生を呼ぶように、と伝えれば
……きっとまた会えますよ」
『職場って…
…………！』
脱力とともにそれを受け取って、彼女は驚いたように固まった
「それじゃあ、きっとまた、会いましょうね
…人参なら、三つ先の店先ですよ」
男が完全に見えなくなった後、彼女は笑みと共に呟いた
『幸先が良いわね』
その手に握られたカードには
南国司令部、本部基地と記されている
どうして男が、自分が人参を探しているのを知っていたか
という疑問は、その時浮かびもしなかった
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ココア(プロフ) - シオンさん» 構いませんよ！友達申請待ってますね♪よろしくお願いします！！我々だの短編は、イチャイチャとは系統が変わりますが、もう一本あげる予定です！ (2017年9月21日 18時) (
レス) id: 742ad63ee0 (このIDを非表示/違反報告)
シオン - ありがとうございます。いつになるかわからないんですが雪女(ゆきめ)というホン垢で来るのでその時は変わらず接してください。その時に友達申請させてもらってもよろしいでしょうか?長文失礼しましたm(_ _)m (2017年9月21日 17時) (レス) id: 986262ce68 (このIDを非表示/違反報告)
ココア(プロフ) - シオンさん» コメントありがとうございます！！全然構いません！リクエスト感謝します！！すぐに取り掛かりますね！ (2017年9月19日 18時) (レス) id: 742ad63ee0 (このIDを非表示/違反報告)
シオン - あの、リクエストって行けますかね?我々だといちゃいちゃするのとか (2017年9月17日 18時) (レス) id: 986262ce68 (このIDを非表示/違反報告)
ココア(プロフ) - お餅さん» コメントありがとうございます！これからもしぶとく続けていきますので、気が向いたら見てやって下さい！ (2017年6月12日 7時) (レス) id: 742ad63ee0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ココア | 作成日時：2016年12月9日 20時
