記録、百十三枚目 ページ29
お前が裏切っていたとはな
その言葉を受けて、トントンは僅かに目を見開いた
「.......何でそう思ったんや」
「理由は単純だ
今朝目を覚ましたゾムが、自分を撃ったのは書記長だと証言した
いくら敵に意識を割いていたとはいえ、ゾムは並の兵士で傷を負わせられる男ではない
何よりゾムは、あの場で自分を撃てる実力を持っていたのはお前だけだと言った」
黙ったまま聞き手に回るトントンに、グルッペンは更に畳み掛ける
「もう一つ
俺の出した指示が、全く違う形で現場に伝わっていた事があったな
深追いするなと伝えた敵幹部に勝負を挑み、コネシマは負傷
優先して治療しろと言ったひとらんらんの部隊は後衛で待機させられていた
これは兄さんに出した指示だったが....」
ここで言葉を区切り、トントンを見据えた瞳
まるで、お前と兄さんが組んでいた事は知っていると言わんばかりだ
「参ったな...
もうバレてもうたか」
片手を挙げ、裏切りを認める書記長を見て、総統は顔を歪めた
「何が目的で裏切った」
重い問いかけは、まるで周囲の空気すら凍らせる程に冷たい
物音一つしない室内は、部屋全体が死んでしまったかのように感じた
やがて静寂を破ったトントンは、その手に構えた銃を総統に突きつける
「要求は終戦
東西軍への攻撃を中止する事を求める
........分かってくれ、両陣営を守るにはこれしかないんや」
グルッペンの感情は読めない
彼はトントンに、裏切った理由を聞かなかった
それは、こうなる事に薄々勘付いていたからだろう
彼が、西軍の話をする度に見せていた、何処か寂しそうな、それでいて懐かしむような表情
その理由にも心当たりがあったから、彼は何故と問わなかった
だがそれでも＿＿＿＿
それでも彼は＿＿＿＿＿＿＿＿
「...トントン、俺が初めに言った事を覚えてるか」
「_____！？」
背後からの殺気を感じ取り、間一髪で上体を捻ったトントンは、つい先程まで自分の頭があった場所を、銃弾が走るのを見た
冷や汗をかきながら振り返るトントンに、グルッペンは告げる
「＿＿＿＿此度の戦争の主役は我々だと」
彼は南軍総統、グルッペン・フューラー
「あーあ、避けられてもうた
惜しかったなぁ、書記長さん？」
「ゾム......！」
そしてこの男は南軍幹部、戦闘狂いのゾム
両者共に、和解のわの字も理解しない男達だ
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ココア(プロフ) - シオンさん» 構いませんよ！友達申請待ってますね♪よろしくお願いします！！我々だの短編は、イチャイチャとは系統が変わりますが、もう一本あげる予定です！ (2017年9月21日 18時) (
レス) id: 742ad63ee0 (このIDを非表示/違反報告)
シオン - ありがとうございます。いつになるかわからないんですが雪女(ゆきめ)というホン垢で来るのでその時は変わらず接してください。その時に友達申請させてもらってもよろしいでしょうか?長文失礼しましたm(_ _)m (2017年9月21日 17時) (レス) id: 986262ce68 (このIDを非表示/違反報告)
ココア(プロフ) - シオンさん» コメントありがとうございます！！全然構いません！リクエスト感謝します！！すぐに取り掛かりますね！ (2017年9月19日 18時) (レス) id: 742ad63ee0 (このIDを非表示/違反報告)
シオン - あの、リクエストって行けますかね?我々だといちゃいちゃするのとか (2017年9月17日 18時) (レス) id: 986262ce68 (このIDを非表示/違反報告)
ココア(プロフ) - お餅さん» コメントありがとうございます！これからもしぶとく続けていきますので、気が向いたら見てやって下さい！ (2017年6月12日 7時) (レス) id: 742ad63ee0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ココア | 作成日時：2016年12月9日 20時
