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『A 出かけんの？』
日曜日の昼前。
出かけようとした私に声をかけてきたのは、同棲している幼馴染の優斗。
「うん、ちょっとね。
7時前には帰ってくるよ」
心配そうな表情を浮かべる彼を安心させるように言う。
それでもまだ不安そうな優斗は、私から視線を反らした。
『そっか、気をつけろよ』
あの日から。
あの夜から。
彼は、優斗は、こんなかんじだ。
私に対して過保護になった。
優斗が悪いわけじゃないのに。
きっと彼は、罪に執着している。
___あの人が犯した罪に。
ああ、だめだ。
思い出すだけで、くらくらする_____。
『Aさんっ...』
「...あ、作間くん」
あの告白の後に、連絡先を交換した彼___ 作間龍斗くん。
前の制服姿よりも、今日みたいな黒を基調としたシンプルなコーデの方が大人っぽい彼には似合っている。
今日は彼と出かける約束をしていた。
一応、カレカノだし。
正直、彼のことはまだまだわからないことだらけだ。
だからこの機会に彼を知りたくて。
なんとなく。
そんな軽い気持ちで。
『Aさんってパンケーキ好きですか？』
「うん、大好きだよ」
『よかった...
じゃあ、パンケーキ食べに行きません？
行きたいとこがあって』
話を聞けば、意外と甘党みたいで。
でも、男子と行ったり、１人で行くのは恥ずかしくてなかなか足を運べないらしい。
大人っぽい彼の意外な面が、少し可愛らしくて微笑ましい。
彼氏というより、弟 みたいな感覚だった。
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作者名：心音. | 作成日時：2018年6月18日 20時
