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翔太｢……あいつキスとか、ふつーにすっから。｣
だから、気をつけろ？
されんなってこと？
わたしにしか｢好き｣がないのに、そんなのずるい。
そんなこと言われたら、
｢…………お兄ちゃんだってするじゃん、｣
翔太｢あ？｣
｢名前もわかんないような女の子にいっつも、するんでしょ。キスでも何でも、｣
翔太｢………何、不満？｣
不満に決まってるよ……、お兄ちゃんがちゃんと、｢好きな人｣なら諦めもつくかもしれないのに。
そうやって好きでもない子と遊んで、
キスして、好きって言って。
わたしには行けないその位置が、ほんとうはうらやましい。てきとーでいいから、
遊びだっていいから、１回くらいお兄ちゃんに、
………好きになってほしいもん。
翔太｢………安売りすんなよ、お前。｣
｢…やすうり、｣
翔太｢ちゃんと選べっつってんの。女の子なんだからさ。そんなてきとーに、奪われていいもんじゃない。｣
よく言う。わたしが、まだ初めてだから？
だからそんなに気にしてるの？深澤くんのこと……、
とろん、っていっきに重たくなる目。
ほっぺに伝った涙を、お兄ちゃんがブレザーの袖でぎゅっぎゅって拭いてくれた。
翔太｢………大事だからさ、｣
｢………ん、？｣
翔太｢お前。｣
｢…………、｣
翔太｢……傷つけられたくねーの。｣
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作者名：恋 | 作成日時：2021年7月20日 1時
