【暁のヨナ】私に出来ることを 2章 (ページ5)

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第54話ページ5

ヨナは、突然誰か分からない人に抱きつかれたため、戸惑ってハクに助けを求めた。

ヨナ「えっあのどなた？あの…ハク？」

ハク「ハァ〜…Aですよ。火の部族長のご息女カン・Aです。」

ヨナ「えっ⁉︎…A姉様？本当にA姉様なの？」

Aはそれを聞き抱きつくのをやめ少し離れてからヨナの方を見た

A「ええ、ヨナもハクも本当に生きていてくれて、また会う事ができて良かった…(微笑」

Aがそういい微笑むと、今度はヨナの方から勢いよくAに抱きついた

ヨナ「A姉様ｯ私も、A姉様にまた会う事ができてｯ良かった」

ヨナとAがしばらく抱き合っていると、後ろから別の声が聞こえてきた

ユン「ちょっとヨナ、雷獣呼びに行くのにどんだけ時間掛かってんの。話あるって言ったじゃん！………って誰その人？」

キジャ「⁉︎そなた、あの時の…」

ユン「？何キジャ知り合い？」

キジャ「そなたもあったであろう、役人と一緒にいて私と対峙した者だ」

ユン「⁉︎なんでそんな奴とヨナと雷獣が一緒にいるの！」

キジャとユンはAがいるのに驚きそう言った。

A「ヨナ達とは幼馴染なんですよ。それより、貴方がユンと言うの？袋受け取ってもらえたかしら？」

ユン「えっ！あの袋ってあんたが持ってきたものなの？でもなんで…」

どうして貴族がそんなことを、と言うような顔でユンはAに聞いた。それに対してAは、まるで愛おしいものを見つめるような眼差しで答えた

A「私は、自分が生まれ育った火の部族が好き、火の部族の民たちが好き…けれど、火の部族の土地の大半が痩せ細っていて生活がままならないことを知っている。その人達が、苦しんで、役人達に不当に扱われている事も知っている。
だから、私はたとえ偽善だと馬鹿にされてもそんな人達が少しでも生きていて良かったと…少しでも幸せだと思ってもらえるように、私は行動していたいと思うの。只々この地に住む人達が愛おしいから(微笑」

Aはそう答えユンの方を見た

A「貴方に袋を渡したかったのは、貴方が一番上手くそれを使ってくれると思ったから…私みたいな貴族や、役人がやっても怖がられてしまう。けれど、あの場で貴方は相手が貴族でも村の人達を守ろうと立ち向かう事ができた人だから…きっと村の人達が大切なんだと思ったから。」

ユンはそれを聞いて、他の貴族達とは何がこの人は違うのかもしれないと思った。