【暁のヨナ】私に出来ることを 2章 (ページ13)

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第62話ページ13

元々火の部族の貧しい土地で育ったユンは、王族や貴族が嫌いであった為Aのやっていることに対して偽善なのではないかなどと、思うこともあったのだろう

A「ユン…」

それに対してAはどう声をかけて良いのか分からず悲しそうな顔をしていた。そこに声が聞こえたのだろうヨナが近づいてきた

ヨナ「ユン、声を荒げたら村の人がびっくりするわ」

ユン「ごめん、ヨナ…あんたも急に声を荒げてごめん」

A「いいえ、ユンがそう思ってしまうことは仕方がないことだと思うから、気にしないで…それでも、私は父上の命令に背いてでも、これはやるべき事だと思っているから…」

ユン「そっか……」

そう言っている二人をしばらく見ていたヨナは、Aに声を掛けた

ヨナ「A姉様、私村の人達の様子を見に行くんだけど一緒に来る？」

A「ヨナ…ええ、行かせてもらうわ」

ヨナとAは村を二人で歩いていた。Aは歩きながら村の様子を眺め村の状態について考えていた

A『やっぱり、男手が足りないから田畑も育っていない…ヨナ達が賊として動いているから税を払うことが出来なくても暫くは大丈夫だとしても、根本的な解決には至っていない…何か私に出来ることがあるはずよ…きっと何か…』

Aが考え込んでいると前の方から籠を背負った老人が歩いてきた

ヨナ「セドルおじ様収穫は？」

セドル「良くないね、なんとか遠出して木の実や果実を取って来たが、食べれる物があるかもしれないからその辺の草も摘んでわきたよ」

ヨナ「そうね、後でユンに聞いてみましょ…あ、ちょっと待って」

そう言ってヨナは背負っていた弓を使い飛んでいた鳥を仕留めセドルに渡した

ヨナ「はい、これ夕食にどうぞ」

セドル「おお、ますます腕を上げたねヨナちゃん」

ヨナ「ありがとう」

そして、仕留めた鳥を渡しまた村を歩いていた

A「ヨナは、弓を使い始めたのね…とても良い腕だわ」

ヨナ「ほんと‼︎A姉様にそう言ってもらえると嬉しいわ…弓はハクに教えてもらっているの、初めは自分やハクが逃げるスキを作るくらいやりたいとを思って…父上が嫌った武器を取った、取らなければ私は今生きていけないと思ったから…本当なら剣術も教えてもらいたいのだけれどそれはハクが許してくれなくて…ねぇA姉様…A姉様はどうして武器を取ろうと思ったの？」