【暁のヨナ】私に出来ることを (ページ43)

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第42話　　天命ページ43

翌日ヨナは、イクスを探して滝のある方まで来た

イクス「ヨナ姫、神の声が聞きたいですか？」

ヨナ「……ムンドクに、神官様に道を示してもらうよう言われたの、道とは…誰かに示してもらうものですか？私は、何もしないでじっとしているべきなのかと思っていた。でも、追われて、ハクを殺されそうになって、自分も死にかけて、生きたいと思ったの…私の命もハクの命も、決して奪わせやしない。私の願いは今はそれだけ、神様に聞くことなんて…」

イクス「……いいえ、貴方が"生きる"という事は、普通に平和に暮らすのとは違う…貴方が生きるという事は、この高華国の大地を揺るがす、嵐を起こすという事」

ヨナ「…神官様？」

イクス「貴女がただ真っ直ぐに生きたいのなら、熱き血潮を止められぬなら、貴女に神の声を伝えましょう」

闇落つる大地
龍の血により再び蘇らん

古の盟約に従い、四龍集結せん時

王守護する剣と盾が目覚め
ついに赤き龍暁より還り給ふ

イクスは言い終わると疲れてしまったのかパタリとその場に横になるように倒れた。

イクス「か、神様の声を伝えるのは精神力がいるのでふ･･･｣

ユン「めんどくさいよ、若年寄」

ハク「龍とか神とかさっぱりわからんが、何を言われても俺は壺は買わん」

ユン「売らねーよ」

ヨナ「さっきの予言、赤き龍って神話に出てくる王の事？｣

イクス「建国神話はご存知で？」

ヨナ「赤い龍神が人間の姿になって天界から地上へ降り国を治めてゆく話。それが高華国初代国王、緋龍王。父上が昔よく話してくれたわ」

イクス「でも、その緋龍王も人の身になってからは、いずれ人と争う事となったのです。」