【暁のヨナ】私に出来ることを (ページ41)

今日:89 hit、昨日:43 hit、合計:11,487 hit

第40話ページ41

ユン「あんた、まだ助けた礼の一言もないじゃない。こいつにしても、一度でも礼言った事あるの？死にかけてまであんたを守ってんのに」

ヨナは、肩に手が乗せられるとイクスが優しく耳元で話しかけた。

イクス「大丈夫、彼には、まだ死神様のお迎えは来てないから。彼は、戻って来ます」

ヨナは静かに涙を流した。

イクス「ユン君、言葉優しく」

ユン「だって、キライなんだもん…王とか貴族とか」

イクス「彼女も彼女なりに闘っている」

ヨナ『私、今まで一度だってまともにハクに感謝したことなんてなかった…』

ヨナは、ユンに言われた言葉の意味を考えていた時(カチャ)と首飾りの音がして、ヨナは、ハッとした。

ヨナ『そういえば昔A姉様が言っていたけ』

A「ヨナ、人に感謝することを忘れてはいけないわよ。人は、感謝されると嬉しかったり、やって良かったと思えたり、心が暖かく感じたりするの。人にやってもらう事が当たり前になってはいけないの…人は1人では生きていく事ができないのだから、少しの事でも感謝の気持ちを伝える事を忘れてはダメよ。それは巡り巡って自分に帰ってくるのだから。」

ヨナ『やってもらうのが当たり前だと思ってはいけない…私は、阿保のままでいたくない』

そう考えてヨナは、ユンのところへ行った。

ヨナ「あの、ありがとう助けてくれて。教えて欲しいの…貴方たち神官の事…私は何も知らないけど、阿保のままでいたくない」

ユン「訂正するけど俺は神官じゃないよ。あの生活力のないのほほん神官の面倒を見てるだけ。イクスが城を追い出されたのはまだあいつが見習い神官だった頃だよ。神殿も取り壊され、何人かは捕まって処刑された。どうして神官達が追い出されたのか聞いたよね。神官は昔は王をしても侵せない権威を持っていたんだよ」

ヨナ「王も？」

ﾕﾝ「神官は神の使いと崇められていたからね。国の祭事や政に深く関わりら時には戦争をも左右した神官。神がお怒りだからと王を降ろされた者までいたんだよ。ジュナム王の時代高華国は他国にも領土を広げ勢いづいていたりそこにはユホン皇子の功績が大きかったんだって。そんなユホンにとって、王の力を脅かす神官は邪魔だったんだよ｣

ヨナ「だから叔父上は城から神官を追い出したのね。･･･こんな何もない所で大変ではない？」

ユン「全然、俺は人里めんどいし。イクスはここの方が落ち着く、あいつは俺がいないとダメなの」

ヨナ「ありがとうまた教えてね」

ヨナ『早く元気になってハク』