【暁のヨナ】私に出来ることを (ページ36)

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第35話　　咆哮ページ36

ー緋龍城ー

ケイシュク「スウォン様」

スウォン「何ですか？ケイシュク参謀」

ケイシュク「火の部族カン・スジン将軍のご息女カン・A様がお会いしたいそうです。」

スウォン「Aが？…分かりました、すぐに行きます。……
やあ〜すみません、お待たせしましたA、今日はどうされましたか？」

スウォンが見たAは、普段と変わらず美しい顔をしていたが、目元は赤くなり少し目も陰っていた

A「大事な…即位式前日に申し訳ありません、貴方に……どうしても、お渡ししたいものがあって参上致しました。」

Aは懐から、フクチより預かっていたヨナの暁色の髪を取り出した

A「ヨナが…亡くなられました。ヨナ姫とハク将軍が風と火の土地の境…北山にて、ジン・カルン殿が、ハク将軍とヨナ姫を追い詰め…後少しと言うところで2人は谷底へ…」

ケイシュク「なんと、あの絶壁から落ちた…⁉︎スウォン様は、2人を発見次第連絡しろと、ご命令を下された。あろう事か、ヨナ姫を追い詰め殺したなどと………これは大逆ですよ、何故この場にジン・カルン殿がいらっしゃらない！本来ならその方が、スウォン様に報告するべきなはず…どういうことですか、カン・A様」

A「スウォンと馴染みのある私から報告させて欲しかったからです。それ以外の理由などありません…罰があるのだというのなら、この身に受けましょう」

ケイシュク「スウォン様」

スウォン「…今日は城で、お休み下さい明日の即位式には、出席して下さいますように…それでは」

A「スウォン、待って…貴方はあの選択でよかったの？これが貴方の本当にやりたかったことなの？」

ケイシュク「A様‼︎」

A「ヨナは…あの子は心の底から貴方を愛していたわ…ハクも、貴方をとても信頼していた…それなのにｯどうしてあんなことをｯ」

Aは、苦しそうに、悲しそうにそう、スウォンに言葉を投げ掛けた

スウォン「……私には、やらねばならない事があるのですよ」

A「スウォンｯ」

スウォンはそのまま離れていった

A『もう、あの頃のスウォンはどこにもいないのね……』

ー谷底ー

一方、谷底に落ちていったヨナとハクは、ハクが抱えるようにして倒れていた…そこへ1人の少年が

少年「むかぁし、むかしあかいろのーおおきなたいようたべられてーせかいがくろにーそまるときー……めんどくさ、人が死んだら」