第33話 自分で決めた ページ34
ー翌日ー
Aは、風牙の都の門の前に向かっていた、そしたら
ヨナ「ハクー！私ここを出る、一緒に来なさい‼︎」
ヨナの声が聞こえて来た。Aは急いで門の裏に隠れた、そこには、何故かムンドクも居たが、それよりもヨナとハクの会話を聞くことにした。
ハク「………何だって？」
ヨナ「ここを出るの、ここに居たら、風牙の都を争いに巻き込んでしまう」
ハク「…帰れ、長老にはその旨伝えてある。ここはもう大丈夫だ…あんたは、ここで静かに暮らせ」
ヨナ「ハクは？行くのを許した覚えはないわ」
ハク「許すも、許さねェも、もう俺は将軍じゃねェし、あんたの従者でもない。これから自由の旅に出ようってのに、あんたの面倒まで見る義理ねェな…あんたが、静かにしていればスウォンも手出しはしない」
ヨナ「もう決めたの」
ハク「どう思おうが、俺は連れて行かない」
ヨナ「………」
ハク「……じゃあ、金は？金はあるのか？これから、先一緒に行くなら俺はあんたを守らなきゃならない…今のあんたに、俺の働きに見合う金を払う事が出来るのかって聞いたんだよ…ああ、それとも体で払うか？」
ヨナ「……あげられるものなんて、何もないわ」
ハク「物分かりがいいな…さあ、戻れ…さようなら、ヨナ姫」
ヨナ「でも、お前が欲しいもの…私に！ハクをちょうだいっ‼︎」
ハク「！っ何だそりゃ、あんた…すっげワガママ、あーあ…ムカつく、これだから」
ハクは昨夜のAが言っていたことを思い出した。
A『何も知らない我儘なお姫様だけれど、決して馬鹿ではないの…だから、どうかあの子の意思を尊重してあげて？』
ハク『あれは、こーゆう事だったのか‼︎』
ハク「……あんたの勝ちです、姫様」
ハクは、笑いながらそう言うと、矢を引く音が聞こえ、少し前を見るとハクを狙ってムンドクが弓を向けており、Aが微笑んでいた。
ムンドク「ハクｯ」
A「クスクス(笑」
ハク「げっジジイ、A」
ヨナ「ムンドク、A」
ムンドク「さっきから聞いていれば、姫様に対する暴言の数々何度射殺そうかと……」
ヨナ「ムンドク、A姉様、探してたのよ…私…っ」
ムンドク「…孫をまた1人手放すようじゃ」
ヨナ「私…皆にも言われたの、家族だって嬉しかった…だから出て行くの…ムンドク、どうか風の部族を守って」
ムンドク「いつかあなたが再び絶望に立たされ助けを求めた時、我ら風の部族は誰を敵にまわしてもお味方いたします」
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作者名：神涙 | 作成日時：2023年11月14日 21時
