第26話 心におさめた槍 ページ27
風の部族の命の水とも言われ大切にんしている川の水が枯れた事で民達に動揺がはしる。
｢長ーｯ」
テウ「日照りでもないのに命の水とも言える川がっ」
ガリガリと地面を削る様な音が辺りに響き渡る
ハク「わかっとるわ、小心者共、今ヘンデを上流の調査に向かわせてる」
テウ「何してんの？長」
ハク「もし、これからもずっと川が枯れてたら当分は商団から水を買わなきゃならない。遠方に汲みに行ったとしても人手とそれにかかる費用ときたら…」
手を止めて計算が終わると、口角を上げ不気味な笑い声を上げた。
ハク「クックックッ…もはや笑えてくるな」
テウ「金の計算か」
テヨン「兄ちゃん、お姫様守ってるのも金目当てって聞いたけど本当か？」
ヨナ「⁉︎」
ハク「他に何か？」
ヨナ「⁉︎」
｢──長老だ！ムンドク長老が帰ってきた！」
その知らせを受け、急いでハクとヨナはムンドクの前に姿を現した。
ムンドクは、驚いた顔をしてヨナを抱きしめた
ムンドク「よかった、ご無事でしたか」
ヨナは静かに涙を流した
ムンドク「信じたくなかったが…陛下が亡くなられて、貴方とハクが城を去ったという事は、やはりそうなのか……その時、お守りできず口惜しい」
ヨナ「……苦しい」
ムンドク「おっ……少しお痩せになられましたか」
ヨナ「…………ううん、温かいもの、美味しいもの、たくさん貰ったの、あんなに美味しいご飯初めて食べた。風の部族はムンドクみたい、あったかくてほっとする。」
ヨナはそうムンドクに言って微笑んだ。ムンドクはそれを見た後、今度はハクにも抱きつこうとするが………
ムンドク「ハク……」
ハク「よお、じじい」
ムンドク「愛の抱擁をよけるヤツがあるかっ！」
ハク「受け取ってるぜ、指先でな」
テヨン「じっちゃん、じっちゃん、俺も、俺もー！」
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作者名：神涙 | 作成日時：2023年11月14日 21時
