第21話 ただ息をしているだけ ページ22
ハク「食わないんですか？姫様」
ヨナ「…」
ヨナは城から逃げて以降人形の様にハクに言われるがまま、手を引かれ歩き続けている
ハク「……少しでも食べた方が良いですよ。ここから先、山道がさらに険しくなる。食料が確保できるか分からない。」
ヨナ「…」
ハク「………疲れたでしょう、近くに池があるので体を気分転換に洗われてはいかがですか？」
ヨナ「…コクン」
ハク『時間が経つにつれてどんどん弱っていく、体力だけじゃなく陛下の死とスウォンの裏切りを直視できないんだ』
パシャ
ヨナ「あ…何…これ」
ハク「蛭です。じっとして、こいつは池や沼に住み血を吸うんですよ」
ヨナ「血…」
ハク「なに、大事には至らなねェ……………服ここに置いておきます」
ハク『満足か……？共に過ごした日々も、大事にしていた姫さんも全てを壊して、お前はそれで満足なのか？スウォン‼︎』
カラン
ハク「！…これは、宴の時スウォンが渡した簪とAが渡していた首飾り…Aのは兎も角まだこんな物を持っていたのか…(ぐっ…」
ハク「ヨナ姫先を急ぎましょう、日が沈む前に距離を稼がなくては」
ー洞窟ー
ハク「今日はここで休みましょう。ここの虫は害がないから大丈夫ですよ。蛭はさっきの池に落としましたし…」
ヨナ「ハッ！(キョロキョロ」
ハク「どうしました？何か落とし物でも………？」
ヨナ「(フルフル)」
ヨナ『いらない、あんな物絶対にいらない』
スウォン『ヨナ、私は好きですよヨナの髪、暁の空の色です。』
ヨナ「…」
ハク「どちらに？」
ヨナ「あ………あの…私ちょっと…」
ハク「早く戻って来て下さいよ」
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作者名：神涙 | 作成日時：2023年11月14日 21時
