第12話 ページ13
ハク『正直、王家や貴族とは関わりたくない腹の探り合いも足の引っぱり合いもくだらねェ、王は王で危機感ねェし』
ヨナ「ハク！隠して」
？「ヨナ姫、姫様ーどこです〜っ」
ハク『あれは、火の部族の上流貴族のご子息ジン・カルン…』
ハク「ダメですよ、ヨナ姫イタズラはバレないようにしないと」
ヨナ「違うわよ」
カクカクシカジカ
ハク「言い寄られてる⁉︎」
ぶひゃっひゃっひゃっ
ヨナ「本当だってば！あのジン・カルンとかいう人度々城に来ては私に贈り物やら遊びに誘ったりするのよ。華のように愛らしいだの、その瞳の矢に射抜かれただのムズムズする台詞ばっかり‼︎」
ハク『王には現在、皇太子がいないここは姫を懐柔して玉座を手に入れようというわけか』
ヨナ「すっごくしつこいのよ」
ハク「言えば良いではないですか、私にはスウォンという心に決めた人がいますって」
ヨナ「////だって…片思いだし、それを言ったら本人の耳にも入っちゃう」
ハク「俺の知った事じゃねー」
ヨナ「面倒くさそうに言わないでっ」
ハク「じゃあ、A様は？同じ火の部族なら何かしら言ってくれるだろ？」
ヨナ「A姉様はダメ、最近忙しいのかあまり城に来てくれてなくて心配かけれないわ」
Aは俺の２つ上の火の部族長のご息女である。昔から火の部族に多くある貧しい村々を気にしていて、今では少ない数ではあるが、村々を見ては清掃したり、食料を少しではあるが配っていたりしている。
父親のスジン将軍からは無意味なことと言われ反対されているようだがそれを押し切って行動しているのだと言う。
前に、Aに聞いたことがある。「どうして、父親の反対を押し切ってでも行動するのか」と、そしたらAはこう言った。
A「私は、自分が育った火の部族が好き、火の部族の民たちが好き、そんな中、この厳しい土地の中で豊かなのは数少ない都だけ。私は、十分過ぎるほど恵まれているけれど、それが決して当たり前ではないのだと知ってしまった。ならば私は、愛する火の部族を火の部族の人々を何か少しでも救うことはできないか、そう考えてしまう。父上や兄上は、いつか、いつかと言って軍にばかりお金を回す。確かにそれは民たちを守る為に必要なことだろうけど、いつかでは遅いのよ、今この時、この瞬間にも苦しんでいる人がいるかもしれない全てを救うだなんて傲慢なことは言わない。それでも、この私の手で救うことができるものが少しでもあるのなら私はやりたいと思う。それが、火の部族長の娘として生まれた私のやるべき事だと思っているから。」
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作者名：神涙 | 作成日時：2023年11月14日 21時
