僕らの場所 (ページ5)

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雅side ページ5

池の横を通り過ぎて家に戻ってきた。

彼を布団に寝転がし血や泥をぬぐい怪我の治療をする。

体中に怪我をしているが背中からお腹にかけて大きな切り傷かある。

新たに出血しており拭っても拭っても血があふれ出してくる。

何とか止血し薬草と包帯を巻く。
何をされても痛いだろうに彼は表情一つ変えずに眠り続けている。

深く眠っているのにもかかわらず左手には黄色い石がしっかりと握られていた。

手に取ってみるが見当もつかない。
枕元に置いておくことにした。

目が覚めた時に聞こう。

夜も深くなり気付くと床に眠ってしまっていた。
彼は未だに荒い息で眠っておりほんのり顔を赤く染めている。
タオルを額に乗せ僕はまた床に寝た。

朝ドアをたたく音で目が覚めた。
翔くんだ。

ドアを開けると翔くんはいつも通りの笑顔で「おはよう」と言う。

僕もそれに返し家に招き入れる。

翔くんはすぐに彼に気づいた。
近づこうとはせずじっと見つめている。

その後にゆっくりと僕を見る。
「助けたの？」と信じられない、驚いた感情が入り混じっている。

僕は目をそらしさっきまで僕が寝ていた場所に腰を下ろす。