僕らの場所 (ページ32)

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翔side ページ32

やっと目を離し今しなければならないことを思い出した。

先ほどまでバラバラな場所にいた二人は手を取り合い目をつむっており、辺りは薄明るくなっていた。

僕は思ったより長く松本くんを眺めていたようだ。

僕は大野さんの肩をたたき声をかける。

翔「大丈夫ですか？」

智「はい。あ、さっきの」

翔「わかりますか。大変でしたね。もうすぐに朝になります。人間たちが来たら何をされるかわかりません。歩けますか？」

大野さんはゆっくりと座った。

二宮くんにも声をかける。

翔「大丈夫ですか？もうすぐこの場所も危険になります。少し移動しましょう。」

二宮くんも大野さんの手を借りどうにか体を起こした。

2人は辺りを見回し、もう一人いた仲間を探していた。

智「もう1人見ませんでしたか？」

翔「一緒にいた人ですか？まだ戻っていないようです。」

智「…そうですか。」

大野さんは二宮くんを支えながら心配した顔で言った。

翔「行きましょう。」

僕は二宮くんを背負い、大野さんに手を貸しながら自分の家に案内した。

大野さんのペースに合わせ、少し急ぎながら歩き僕の家に着いた。

翔「ここです。中で休んでいってください。」

智「ありがとうございます」

僕は大野さんの横に二宮くんを下ろし、2人分の布団を敷いた。

翔「どうぞこちらに」

動けそうにない二宮くんを背負い移動した。

動けないのか座ったままの大野さんの手を引き布団まで連れてきた。

翔「ゆっくり休んでください。お仲間も心配だと思いますが今はあなた方の体も心配です。」

2人はすぐに眠りに落ちた。

こんなことがあった日でも人間の世界で働く僕は怪しなれないように普段通りの生活を送る。

夜中にあんなことがあったため村人たちはまだ興奮したように夜中の出来事を話していた。

僕は適当に相槌を打った。