3.はじめまして ページ3
私以外みんな任務に出てしまっていた日、1人で席に座っていると、五条先生が教室を覗きに来た。
「あれ、Aだけ？」
『はい。みんな任務に行っちゃって』
「そっか。じゃあA、僕と一緒に来る？」
『どこにですか？』
「1年のとこ。ま、まだ1人しかいないんだけどね」
そう言ってくれた五条先生に続き、私は1年生のいる教室へ向かった。
『1年生、1人だけなんですね』
「そ。本当はもう1人いるんだけど、準備が遅れてるみたいでね。まだこっちには来てないんだ」
『そうなんですね。今いるのはどんな方ですか？』
「んー、冷たい子に見えるかもしれないけど、いい子だから優しくしてあげてね」
そんな話をしていると、頭に何か響き始めた。
五条先生は必要な時以外私に心の声が届かないように、脳に呪力を流し思念を守っている。
ということは、声の主はきっとこの教室にいるという新入生だ。
〈…また“不可解な事故”…見飽きるくらいこの見出しばっかだが、この街大丈夫か…？〉
教室の外から、中の様子を伺ってみる。
男の子が、携帯を見つめ訝しげな表情を浮かべていた。
「恵、おはよ〜」
「…おはようございます…？」
〈朝からうるさ…誰だ？〉
五条先生の大音量の挨拶に顔を上げた彼は、私を見て動きを止めた。
〈もう1人の1年か？来るのにもう少し掛かるんじゃ…上級生？いや、聞いた話ではあんな人いなかった気が…しかも、あんな強そうな呪力持って…〉
『あの！私、2年のA Aです！』
頭に流れてくる大量の思念に戸惑い、私は思わず大きな声を出してしまった。
目の前の彼もそれに驚き、頭の中に〈？〉を浮かべている。
『私、術式の関係で人の心の声を聞くことができてしまって…えっと、脳に呪力を流してもらえたら、私にも聞こえなくなるので…！』
慌てて説明したにも関わらず、彼は〈…そういうことか〉と心の声を漏らした後すぐに実行したようで、思念は全く聞こえくなった。
「1年の伏黒 恵です。よろしくお願いします、A先輩」
『あっ、はい！お願いします！』
「なんでそんなに畏まってるんです。こっちは後輩なんで、敬語は無しでお願いします」
「忘れ物したんで、1回戻ります」と言い、伏黒くんは教室を出ていく。
彼の対応の早さと冷静さに私は驚き、五条先生は苦笑を浮かべている。
心の声が聞かないと、私は彼の考えていることを理解できそうにない。
先輩としてうまくやれるか、不安になった。
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saki - 棘くんの呪いが出てくるとは…！伏線回収（で合ってるかわかんないですが）素晴らしすぎます！神作品ありがとうございます！ (11月4日 23時) (
レス) @page31 id: 15ea9621b8 (このIDを非表示/違反報告)
白狼(プロフ) - 続きが凄い気になる。ネタを考えるのと投稿頑張ってください！応援してます！ (2022年4月4日 0時) (レス) id: 62f0033d85 (このIDを非表示/違反報告)
緋波(プロフ) - ネイジェさん» コメントありがとうございます‼︎上手くお話がまとまらず苦戦していますが、楽しんでいただければ嬉しいです*これからもよろしくお願いします* (2022年1月19日 16時) (レス) id: 55d308068d (このIDを非表示/違反報告)
ネイジェ - 続き、続きが気になる・・・！とっても私の好みな作品です！神ですか！？神なんですか！？更新頑張って下さい！応援してます！！！ (2022年1月18日 14時) (レス) @page29 id: 09b28cb614 (このIDを非表示/違反報告)
緋波(プロフ) - 姫宮 玲雅さん» コメントありがとうございます*ゆっくり頑張ります‼︎ (2022年1月16日 11時) (レス) id: 55d308068d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋波 | 作成日時：2022年1月4日 15時
