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それで、と焉さんに視線を向ける。
時刻は夜の7時。
廃校へ忍び込むための準備と称してお菓子を頬張っている彼女は、口周りのチョコを舐めてから小首を傾げた。
「智くんが危ないって、どういうことですか？」
「･･･あのねぇ、光。･･････じゃあ、例えばだ。殺害現場を見られた殺人犯は、目撃者を生かしておくと思うかい？」
「そりゃ、思いませんよ。･･･あぁ、そっか」
「うん。口封じしようとするだろうねぇ」
多分あの智という子供は、今日の夜に廃校に呼ばれるだろう。
焉さんはやけに冷静な口調でそう言う。
それは想定外というような口調ではなく、寧ろ想定内･･･計画のうちと言ったところだ。
焉さんはごくりとクッキーを飲み込むと、立ち上がって商品棚を漁る。
ガラスでできたアンティークがガチャガチャと鳴り、割りやしないかと僕はひやひやしていた。
「と、いうわけでだ。君も危ないからこれを持って行きたまえ」
「･･････天使？」
渡されたのは、ガラスでできた人差し指サイズの人形。
丸い頭と逆三角形のような体に羽が生えて、輪がある･･･といった簡易的なものだが。
どこかほんわかしたその雰囲気に、僕は訝しげな顔をする。
だが焉さんはゴスロリに包まれた胸をグッと反らした。
「それは身代わり人形だよ」
「身代わり･･･え？」
「だって電気の能力なんて幽霊の前じゃ無力だから。襲われても1回くらいなら助かるよ」
要するに襲われる危険性があるってことか。
遠回しに言われたその言葉に、グロテスクなものを想像して吐きそうになる。
花子さんっていったいどんな幽霊なんだ？
トイレの中に引きずり込まれたりするんだろうか。
･･･うぅ、ある意味吐きそうだ。
「なに青白い顔しちゃってんの。大丈夫だよ、いざとなったら能力使いなって」
「え？･･･だって焉さん、効かないって」
「攻撃は無理だね。けど、幽霊は明るい場所があまり得意じゃないから」
いざとなったら廃校全部の電気つけちゃえばぁ、とけらけら笑う。
･･･うぅん、そういう問題じゃないんだよなぁ。
僕はもしかしたらこうして外の空気を吸えるのは最後かもしれない、と考えながらコートを着て、まだ吐く息が白くなる外の空気を鼻から思い切り吸い込んだ。
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総悟13(低浮上)(プロフ) - コメントありがとう！なぜシャレオツに言い換えた(笑)ありがとう！じゃあもっとずっと読んでもらえるよう頑張らなきゃね(笑) (2017年11月5日 18時) (
レス) id: 296183b3c6 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - 真剣に読もうとやって来たらCSSが何かめちゃくちゃオシャレな……じゃなくてシャレオツな事になってて思わずコメントをしてしまいました。魅力的で素晴らしいの一言に尽きる！！ (2017年11月5日 18時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：総悟13 x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年11月4日 2時
