Episode.1【消えた友人】 ページ5
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「なぁ、もう帰らないか･･･？」
「なぁにビビってんだよ、情けねぇなぁ」
だって、と言おうとした声は軋んだ床によって悲鳴に変わった。
そんな友人を見てさも面白そうに笑う少年は、ライトをただ真っ直ぐに向けて進んでいく。
外がやっと見えるくらいの透明度のガラス。軋む床。先の見えない暗い廊下。
そんなところに"噂"を検証しに来るなんて馬鹿だった、と後悔する。
――――トイレの花子さん。
科学の進んだこの街の、この学校で、そんな非科学的な噂が流行ったのは数日前だ。
クラスメイトである藤堂 紅花(とうどう こうか)。
彼女は数日前から風邪で休む、との連絡が生徒に言い渡されたその日。
･･････彼女が行方不明になっている、なんて噂が流れた。
それは彼女がこの学校の七不思議の1つ、花子さんを検証しにいくと嬉々として話していた翌日だ。
『紅花ちゃんは花子さんに連れ去られた』――――そんな噂が。
無論信じてはいなかった。信じてはいなかったのだけれど･･････。
「だってお前さぁ、好きなやつが行方不明になったって聞いてじっとしてられんのかよ？」
「･･････そ、れは」
いてもたっても居られなくなったのは事実だ。
それを親友の智(さとる)に言われて、一緒に行ってやると言われて。
――――それで、今ここだ。
「やっぱり噂は噂なんだよ･･････な、帰ろう？」
「んなこと言ったって･･･お？」
ギィイ、と何かが音を立てながら開く音がした。
智はそこを覗き込み、僕もつられて覗き込んだ。
そこは真っ暗だった。何も見えない、月の光さえ入り込まないそこを、智はライトで照らした。
僕と智は同時に息を呑んだ。
ぶわりと汗が吹き出てきた。
「な、で･･･開いて」
そこは昔の和式しかない女子トイレらしかった。
そこの、･･････そこの手前から３番目のトイレの扉が。
――――音を立てながら開いた、のだ。･･･誰も、居ないのに。
ここに居ちゃダメだ。直感でそう思った。
早くここから出なければ、きっと僕達は･･････。
そこで気が付いた。
＿＿＿ひた。ひた。ひたひたひた。･･････とん、とん。
右、左、とゆっくり足を地面につくような音。
子供のような小さな足音が。
「さとっ―――」
後ろには、『居た』。
Episode.1【消えた友人】
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総悟13(低浮上)(プロフ) - コメントありがとう！なぜシャレオツに言い換えた(笑)ありがとう！じゃあもっとずっと読んでもらえるよう頑張らなきゃね(笑) (2017年11月5日 18時) (
レス) id: 296183b3c6 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - 真剣に読もうとやって来たらCSSが何かめちゃくちゃオシャレな……じゃなくてシャレオツな事になってて思わずコメントをしてしまいました。魅力的で素晴らしいの一言に尽きる！！ (2017年11月5日 18時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：総悟13 x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年11月4日 2時
