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プロローグ2 ページ2

「あ、ごめん……」
「いや、いいから。はい」
と言って建はおもむろにパーカーを脱ぎ、佳に向かって渡した。
「着ろよ。下向いてろ」
「………うん」

建は、自分のパーカーを着た佳の頭にフードを深く被せる。
そして佳の手首を掴む。
佳の数歩先を歩き、佳を誘導する。

「あと、200mぐらい」
「…うん」
「……気分は?」
「ちょっと…ごめん……」
「そう。自販機寄る?」

まぁ、何も知らない読者諸君には訳がわからないだろうから、此方から勝手に教えておくとしよう。
佳は不思議な眼を持っている。
先天性ではなく、後天性のものなのだが、今の医療科学を持ってしてもこればかりは前例のない症状で、改善方法も見出だせていない。
佳の持つ眼が持つ、その不思議と言うものは、人の見え方にあった。


佳は、1年以内に死ぬ人の見え方が変わるのだ。


その人の死んだ姿が見える。


その人の容姿が死体になるのだ。


普通に歩き、普通に笑い、普通に話し、普通に生きている筈の人間が、死体となって見えるのだ。
その人の頭の上には、ご丁寧にカウントダウンの数字が映ってさえいる。

勿論、このまま何もしなければ死ぬだけなのだが、この眼のお陰で死なないように行動させることも出来る。

この事を建は知っているから。
寄り添っているのだ。
付き添っているのだ。

まぁ、それだけが理由ではないのだが。
少なくとも、沢山ある理由の内にそれが有ることは間違いない。
佳は建がいなければ、きっと今頃、いやずっと前から既に、いや初めてソレが見えた時から既に。

壊されてしまっていただろう。
閉ざしてしまっていただろう。
終わってしまっていただろう。

それを支える存在が必要なのだ……その存在が建だっというだけだ。
おっと、読者諸君は話しやすいようだ。
うっかり話し過ぎてしまった。

こんなことをしている内に、建の手にはメロンソーダ、佳の手には缶コーヒーがあった。
どうも性格と好きなものが反比例している。

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こきあ@鈴木家の母(プロフ) - いちごみルく。さん» 読みやすいですか?!ありがとうございます!頑張ります! (2021年12月17日 23時) (レス) id: 83905c476e (このIDを非表示/違反報告)
いちごみルく。(プロフ) - とっても文章が読みやすくて続きが気になります!おうえんしてます! (2021年12月17日 23時) (レス) @page6 id: fb2070bc6d (このIDを非表示/違反報告)
こきあ@鈴木家の母(プロフ) - 花橋りなさん» ありがとうございます!更新頑張らせて頂きます! (2021年10月10日 13時) (レス) id: 83905c476e (このIDを非表示/違反報告)
花橋りな(プロフ) - めっちゃ更新待ってます!あっ!イベント参加ありがとうございます!!高評価ポチっと!! (2021年10月10日 10時) (レス) @page2 id: 5c2392d27e (このIDを非表示/違反報告)
こきあ@鈴木家の母(プロフ) - 無名。さん» お気に入り登録、コメント、評価、何から何までありがとうございます!更新頑張らせて頂きます!拙い文章ですがこれからもお楽しみ下さいませ! (2021年6月21日 21時) (レス) id: 44169c853d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こきあ | 作者ホームページ:  
作成日時:2020年4月1日 22時

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