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しおり・他メイド「美味しくなぁれ、萌え萌えキュン♡」
客「キューーーーン♡」
あっという間に時間はたち、勤務時間に。
しおりは初めの方は恥じらいがあったものの、
楽しくなってきたようで、ノリノリでこなしていて。
一方私は、フリフリなメイド服なんてものはもちろん、
こんなカラフルな空間、男性客の多さ、
なによりにゃんにゃん萌え萌えキュンキュン言う他のメイドに耐えられず
ひたすらに担当客に愛想笑いをするだけ。
もうやだ…帰りたい…あの時の私は馬鹿だったんだ、少しの興味なんて持ってしまったから…
ああ、面接断ればよかった…
しおり「ほら何やってんのA!
そんな怖い顔してたら可愛い顔が台無しだよ?
スマイルスマイル!」
「もう無理、帰りたいよしおり…」
しおり「もー。そのうち慣れるって!
恥ずかしがり屋さんなんだからぁっ♡」
そう言って私の脇腹を小突くしおり。
はぁ、もう…味方なんてこの空間に誰一人居ないんだ…
しおり「真面目な話、これから続けるなら本当に慣れなきゃ。
一応お給料っていうお金も貰うんだから、それなりにしっかり働かないとだよ?」
「え、しおりが珍しくまともな事言ってる」
しおり「ひどいなぁ!まあさ、ほら。
みんな初めは恥ずかしかったって先輩達も言ってたけど、
吹っ切れたら意外といけるってよ?」
「んー、吹っ切れる、かぁ…」
それが出来てたらもうこんな苦しい思いしてないよ…
と言いたいのもあるけれど、確かにそうなのかもしれないって少し思う自分もいる。
「仕事、って割り切れば、恥ずかしくなくなるかな?」
しおり「うん、恥ずかしくなくなるよ!
それにほら、Aが可愛いからみんなAのこと見てる。自信持ちなよ!」
うわ、ほんとだ。
今までしたばっか見てたから気づかなかったけど、
みんな私の事見てる…うわ余計にやりづらい…
でもそうだ、しおりも言ってくれてることだし、
お金もらうんだもん、しっかり働かないと!
「もうこの際どうにでもなれ!!」
しおり「お!いいぞA!その意気だにゃん!」
「にゃん!にゃんにゃん!!!」
私はこの時から
いい意味で、一皮むけた。←
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作者名:咲希(ソヨン) | 作者ホームページ:
作成日時:2019年3月26日 13時