虎鶴の地 (ページ2)

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登場人物

梨鶴(りかく)

本作の主人公。姓は汪(おう)、字名は梨鶴。
数え年十六になる。
山奥の小さな集落に祖父と二人で住んでいる。
昔、祖父から都へ住んでいたと聞かされ、姓の字もあることから半信半疑の状態でいる。
家は貧しく学はない。
いつか都へ出て、学者になるのが夢。

宋至(そうし)

梨鶴の祖父。片足が不自由。
梨鶴を大切に育ててきた。

虎珪(こけい)

ある時梨鶴の住む村で行き倒れていた青年。
物知りであるが非力、都から遥々辺境の村へ訪ねてきた。

それぞれの国の特色

北方の寛(かん)
梨鶴の住む最北端に位置する国。冬が長く、作物は取れず八国の中で最も貧しい。

北北東の嚴(ごん)
寒さは厳しいものの資源には恵まれている。
主な産業は鉄鉱石等の輸出。

東の岑(しん)
この世で最も美しいと言わしめた都、燈(とう)を有する。芸術を愛する国。

南南東の遜(そん)
この地域まで南下すると稲作が主になる。
璃に侵略されるまで名君が続いた為、地方に至るまで栄えた。

南の璃(り)
最南端に位置し、農耕地に恵まれている。
仏耀が最初に創った地であると信じられているが故に宗教色が最も強い。今ではこの一国が他の七国を支配下に置き、初統一を成した。

南南西の崑(こん)
璃、梛(だ)の間に位置し、交易の中心地。
商業活動が最も盛ん。

西の梛(だ)
学問が最も発達した国であり、仙耀が施した奇跡は知恵であると言われている。

北北西の牽(けん)
寒さは厳しいが、牧畜を主な産業としている。
四割の人が都である遥忝(ようてん)に集中し、八国の中で最大規模である。集中してしまうのも寒さが厳しく住める土地が少ないためである。他六割の人々は遊牧民族として高所で生活している。

政治制度

王を頂点とし、その下に政治を行う執政官二人を据える。王は自室的な統治はせず、あくまで象徴である。一度執政官となったものは再度なることはできない。